馬産地コラム

ダイユウサクを訪ねて~うらかわ優駿ビレッジAERU

  • ダイユウサク~1
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  • ダイユウサク~2
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  • ダイユウサク~3
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  • ダイユウサク~4
    ダイユウサク~4
  • ダイユウサク~5
    ダイユウサク~5

 「もう25歳ですからね。それでも、食欲なんかは落ちてないですし、年齢の割には元気だと思います。この馬は食べることが大好きなんですよ」と浦河町の優駿ビレッジAERUの島村博乗馬マネージャーが深いしわを寄せた。

 1つの放牧地に4頭のG1勝馬。ニッポーテイオー、ウイニングチケット、サニーブライアン、そしてダイユウサクがいる。本稿の主人公ダイユウサクは、もっとキャリアの長い古株なのだが、あとから来て一番威張っているニッポーテイオーの側に寄り添うようにしている。ニッポーテイオーが歩けば、それに沿うようにダイユウサクもついていく。ある一定の距離を保つように、そして離れないように。ちょっとばかりおぼつかない足取りだが、それは以前からのこと。もともと腰の丈夫な馬ではないのだ。若いうちからあまり歩き回るのは好きでない。

 「もっと若いうちは注射が嫌いで、獣医師の姿を見ると逃げ出したものです。それでも、最近は観念したのか、克服できるようになりましたよ」と現況を教えてくれた。

 6月生まれのダイユウサクは、生まれたときから弱い存在だった。いつも仲間から離れてポツンと過ごしていたという。デビューは3歳10月の条件戦。500キロを超える馬体まで成長したダイユウサクだったが、さすがに1勝馬相手のデビュー戦では勝負になるはずもなく、勝馬から200mも離される散々のデビュー戦となった。

 捲土重来を期した2戦目は11月の未勝利戦。ダッシュ良く飛び出したもののズルズルと後退し、やはり勝馬から7秒以上離された大差しんがり負けを喫してしまう。デビューから2戦連続のタイムオーバー。しかも、もう出走すべき未勝利戦は残っていない。初勝利は4歳春。そんなどん底からダイユウサクの競走馬人生はスタートし、そして有馬記念(G1)のレコード勝ちまでのぼりつめた。

 「やっぱり、あの有馬記念(G1)のインパクトは大きいですね。この馬を訪れる多くのファンが有馬記念(G1)の思い出話をしてくれます」と島村さんがいう。ここAERUでは引き馬乗馬やトレッキングを楽しめるほか、これら功労名馬との再会も楽しみのひとつなのだ。そんな楽しみを共有できるのも、競馬ファンの楽しみのひとつだ。1頭の馬には数え切れないほどのドラマがある。そんなドラマを共有できるのも競馬ファンだけに許された特権なのだ。そんな楽しみを味わいに、AERUを訪ねてみてはどうだろうか。