馬産地コラム

アドマイヤドンを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • アドマイヤドン~1
    アドマイヤドン~1
  • アドマイヤドン~2
    アドマイヤドン~2
  • アドマイヤドン~3
    アドマイヤドン~3

 馬の右側から見ると愛らしい顔だが、左側にまわるとちょっと異質な感じがする。母親ゆずりの三白眼。白目部分が大きく、にらまれているような気になる。しかし、そのどちらもアドマイヤドン。色んな顔を持つ馬だ。

 不敗の2歳チャンピオン。そしてJBCクラシック(G1)3連覇。芝で、ダートで積み上げたG1レースは7つにもなった。

 父は米国2歳チャンピオンのティンバーカントリー。母はJRA最優秀3歳牝馬のベガ。半兄にはダービー馬のアドマイヤベガがいて、半弟にはキャリア3戦目にセントライト記念(G2)を勝ったアドマイヤボスがいる。

 「父親がサンデーサイレンスからティンバーカントリーに変わりましたが、この馬自身もたいへん優れた競走馬でした。重賞勝馬の父となった兄たちに続いて欲しいですね」と期待するのは社台スタリオンステーションの佐藤剛さんだ。

 「米2歳チャンピオンの仔ですから、兄たちに比べて仕上がりが早く、スピードがあります。サンデーサイレンス系にない良さをもっています」とアピールする。

 昨年デビューした初年度産駒は、現在までのところJRAの芝で2勝、ダートで8勝。まだ2年目産駒をデビューさせたばかりだから、決め付けることはできないが、本馬同様にダート競馬に高い適性を持っているようだ。

  その一方で「大きな病気をした馬ですから」とかばうのは徳武英介さん。「初年度の種付シーズン直前に、腸ねん転を起こして大きな手術を経験しています。そのため、種付頭数などは状態をみながらせざるを得ませんでした。数をこなせないというのは、現代の種牡馬事情を考えると大きな不利ですからね」という。「それと、やはりダート重賞というのがなかなか評価されないものですね。この馬くらいの実績と血統の持主でも、やはりダートの印象が強いのでしょうね。評価の点で1歩劣りますね」と悔しそうな表情だ。

 そんな関係者の思いを知ってか知らずか、初年度産駒の1頭トーセンアレスはダートで3勝をあげたあと、皐月賞(G1)、そしてダービー(G1)へと駒を進めている。そういえばアドマイヤドンもダートで名をあげたあと、芝のG1レースに挑戦して話題となった。

 アドマイヤドンは2冠牝馬から生まれた不敗の2歳チャンピオン。そしてダート競馬の印象を大きく変えた功労者でもある。そんなアドマイヤドンにふさわしい産駒の誕生を多くのファンは待っている。