リオンディーズを訪ねて~ブリーダーズ・スタリオン・ステーション
2015年の朝日杯フューチュリティS(G1)に優勝したリオンディーズを訪ねた。日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬としてデビューする来シーズンに向けてコンディションを整えている。
リオンディーズは父キングカメハメハ、母シーザリオ、母の父スペシャルウィークという血統で安平町のノーザンファーム生産馬。2005年にオークス(G1)、アメリカンオークス(G1)、フラワーC(G3)などを制してJRA賞最優秀3歳牝馬、最優秀父内国産馬に選ばれた母シーザリオの6番仔で、半兄には2014年のジャパンC(G1)、2013年の菊花賞(G1)、神戸新聞杯(G2)、2012年のラジオNIKKEI杯2歳S(G3)に優勝したエピファネイアがいる。
まだ記憶に新しいリオンディーズの現役時代の競走成績は5戦2勝。昨年11月の2歳新馬戦でデビュー勝ちし、デビューからわずか29日目の2戦目で朝日杯フューチュリティS(G1)に優勝、G1初制覇を飾り最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得した。だが秋初戦に予定していた神戸新聞杯(G2)を前にして故障が判明、新たに同箇所の不全断裂も判明したために現役続行は不可能との判断に至り、惜しまれながらの引退となった。
「スタッドインしてから1か月と少し経ちました。環境に慣れるのが早く、周りを気にせず落ち着いて過ごしています。競走馬の時は気合が入って荒々しいイメージがありましたし、若馬らしくやんちゃな所があるのかなと思っていましたが実際に携わってみるとうるさい素振りもありません。3歳とは思えないほどどっしりと構えていて風格があり、品のある優しい顔をしています。体調も良く食欲も旺盛ですので体調管理にも困る所はないです。体重はこちらに来た当初はしぼれていましたが、少しずつ増えています。」近況を教えてくれたのはリオンディーズを担当する佐々木司さん。生粋の良血馬を担当させてもらえる事になりとても嬉しかった反面、プレッシャーもあり、やりがいを感じながら日々向き合っているそうだ。
種牡馬デビューとなる来シーズンはすでに即日満口となったにも関わらず、競馬関係者が絶えず見学に訪れるのを目の当たりにして、周囲からの相当な期待の高さを肌に感じているという。「シーズンに向けて段階を踏みながらコンディションを整えて行く中で、怪我で引退をせざる得なくなった事を念頭に置き、細心の注意を払って管理していますので普段の生活をするうえでは問題ありません。あとは種付けを覚えると性格が変わってくる所もあるので今の良い性格を維持し活かせるよう工夫しながら種付けを教えていけるように心がけたいです。種付けで忙しくなるのは間違いないので気を引き締めて頑張らなくては。」充実の中にも緊張と責任を確りと受け止めやり遂げるという思いが伝わって来る。「新種牡馬のダノンシャーク、新入厩となるベルシャザールもスタッドインしましたし、ブラックタイド産駒のキタサンブラックが3つ目のG1を獲ってくれましたので、更に人気が出るのではと期待しています。リオンディーズは馬格があって柔らかさもあり能力がとても高い馬だと確信しています。種牡馬として活躍し、その能力を産駒に引き継いで行って欲しいですね。」と力強くエールを送った。
まだまだ輝けたはずだった能力をこれからは産駒に繋ぎ、大きな夢が現実となる日が待ち遠しい。