ケイティタイガーを訪ねて~ホースガーデンしらおい
JR室蘭本線の社台駅から徒歩で数分の距離にある「ホースガーデンしらおい」はリーズナブルな価格で乗馬が楽しめ、そして引退功労馬とふれあうことができる。「馬との再会を楽しむだけのために、遠方から日帰りで足を運んでくれる方もいらっしゃいます」(谷祐介代表)。そんなことができるのは、新千歳空港から車で40分ほどという利便性が大きな役割を果たしている。
でも、日帰りはお勧めしない。なぜならば、白老という街は近くには虎杖浜温泉もあれば、白老特産のグルメも好評。馬以外にも色々と楽しめるスポットがあるからだ。
ここに、1997年の中山大障害(秋)を勝ったケイティタイガーがいる。同じ放牧地には1992年の最優秀2歳牡馬エルウェーウィンも。この2頭は、ここに来る前からずっと一緒で、年齢も1歳違い。いわゆる、旧知の中だ。大きく異なるのは、エルウェーウィンが2歳(旧3歳)王者であるのに対して、ケイティタイガーが8歳(旧9歳)暮れに初めて重賞を制した晩成型だったということだ。
あの日、もうすぐ9歳(旧10歳)になろうというケイティタイガーは、自分よりも2歳若く、そして中山大障害4連勝を目指すポレールにマッチレースを挑むようなレース展開に持ちこみ、そしてゴールではきっちりと交わして先頭でゴールへと飛び込んだ。あれから17回目の冬。ケイティタイガーは、生まれ故郷の長万部からそう遠くはない白老で元気に過ごしている。
放牧地では体の大きなケイティタイガーがエルウェーウィンやほかの養老馬たちに威張っているように見えるが、谷さんによれば「基本的には、馬にも人にも優しい性格なんですよ。だけど、放牧するときと、集牧するときだけは1番先でないと怒るんです。いわゆるボスなんです」という。
そういえば現役時代。9歳になっても本馬場入場の際、誘導馬が前にいるだけでカーッとなってイレ込む癖は直らなかった。少しでも落ち着かせるために馬場には先出しだった。そんなことを思い出した。
「エルウェーウィンよりもひとつ年上ですけど、こちらの方が元気かもしれません。歯は丈夫だし、飼葉を食べるスピードなんかも早いです」。元気があまって、たまに放牧地を駆けまわったりもするらしい。
ちょっとばかり意外だったのは「すごく寂しがり屋なんです。人間がいればそうでもないのですが、1頭で馬房にいるとイライラしています」ということ。ほかの馬にカメラを向けようとすると、さりげなく間に入ってきたり、自己アピールに余念がないのは、寂しがり屋さんの裏返しだった
「馬はいたって健康。馬体も若々しいです。元気な姿を多くの方に見ていただきたいのでぜひ、足をお運びください」。
馬と、自然と、ゆったりとした時間を過ごしたい方は足を運んでみてはいかがだろうか。