馬産地コラム

スターリングローズを訪ねて~優駿スタリオンステーション

  • 2014年01月14日
  • スターリングローズ
    スターリングローズ
  • スターリングローズ
    スターリングローズ
  • スターリングローズ
    スターリングローズ
  • スターリングローズ
    スターリングローズ
  • スターリングローズ
    スターリングローズ

 今年で10年目のシーズンを迎える“純真な薔薇”こと、スターリングローズ。05年の供用開始からコツコツと実績を積み重ねて、多くの生産者やオーナーの信頼を得てきた。短距離ダートで前に行くスピードがあれば、全国どこの競馬場に行っても通用する、そんな明確なイメージのもと、12年度には過去最高となる83頭と配合。13年度も74頭の配合相手を迎え、安定した人気を誇っている。

 「大物出しのイメージはないかもしれませんが、すでに種牡馬としての知名度がありますし、十分でしょう。生産者の方々にとってみれば、種付料(14年度は受胎条件20万円、出生条件30万円)以上のお得感があるのだと思います。こういう馬こそ、息の長い種牡馬生活を送ることができますからね」と語るのは優駿スタリオンステーションの山崎努主任。当然のことながら、日本で生産されるサラブレッドの全てがクラシックディスタンスを狙って配合されるわけではない。生産者は繁殖牝馬の質と適性を見極め、より長所を引き出すことを求める。そして、いくつかの選択肢の中から値段とのバランスを考えて配合相手が決定されるのである。

 そうした産地の期待に応え、13年度の地方競馬サイアーランキングは過去最上位の23位。一昨年、産駒初のJRA重賞勝利をもたらしたアスカクリチャンは昨年もアルゼンチン共和国杯(G2)を制し、2つ目のタイトルを獲得。暮れには香港ヴァーズ(G1)にも出走し、父の名を世界に広めた。

 さて、現役時代のスターリングローズといえば、ダート短距離~マイルを主戦場にJBCスプリント(G1)など重賞6勝。少々の不利をものともしない、カッと燃える激しい気性のイメージが強い。あのやんちゃ坊主は今、どんな毎日を過ごしているのだろうか。

 「スイッチが入りやすい性格は今も変わっていません。周囲の音や声に敏感なところがあるので、うるさい馬の近くに放牧してしまうと一緒になって走り回ってしまうことも。運動すること自体は悪くありませんが、種付けの前に放牧地で体力を消耗されてしまっては困るので、放牧地の位置には気を遣いますね。最近は比較的大人しいオンファイアとソングオブウインドがお目付役です」(山崎主任)

 穏やかな後輩たちになだめられながら、遠くにチラッと見える新顔フサイチセブンをジロリ。やっぱりウズウズが止まらないスターロングローズであった。