馬産地コラム

オンファイアを訪ねて~優駿スタリオンステーション

  • 2014年01月09日
  • オンファイア
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 昨年2月、優駿スタリオンステーションで繫養中のオンファイアの元に吉報が届いた。3年目産駒のウキヨノカゼ(牝3歳、母アドマイヤダッシュ、母の父フサイチコンコルド)がクイーンC(G3)を快勝し、父が果たせなかったJRA重賞勝利を達成。本格的な繁殖シーズンに入った時期であり、その存在感を示す意味でも最高のプレゼントとなった。

全兄は今や不動のリーディングサイアーとなったディープインパクト。全く同じ血統配合ながら、競走成績3戦1勝のオンファイアの種付料は格段にリーズナブルで、代替種牡馬として一定の需要を保っている。

「産駒の重賞勝利で人気沸騰と言いたいところなのですが、13年度の種付頭数は28頭で前年から微増というところ。ひと昔前なら1つ勝てばワーッと盛り上がったのですが、今の馬産地はもう少しシビアですね。同じような価格帯で多くの選択肢があり、血統的な価値だけではなく、より売りやすい馬が人気になります。例えば競走馬として具体的なイメージを抱きやすい馬、というもアピールポイントになりますね」(優駿スタリオンステーション・山崎努主任)

 優駿SS繫養馬でいえば同価格帯にスターリングローズがいる。こちらはダートの短距離でスピードを発揮するイメージが浸透しており、安定した人気を誇っている。オンファイア産駒も芝・ダートを問わず走っているが、「よりアピールするにはもう1頭、2頭と続くことが大事」。血統的な価値は誰もが認めるところだけに、次なる孝行娘、孝行息子の登場が待たれる。

 さて、入厩当初から大人しく、人間の手を煩わせることはほんなかったというオンファイア。取材当日もいつもと同じソングオブウインドと隣り合わせの放牧地で、のんびりと草を食んでいた。2頭は社台スタリオンステーション時代からの付き合いで、両馬とも何事にも動じないどっしりとした気性の持ち主。やんちゃな先輩スターリングローズが近くの放牧地で猛烈に駆け回っていても、物静かな2頭は完全にスルー。あくまでも我が道を進むのであった。