馬産地コラム

ロジユニヴァースを訪ねて~優駿スタリオンステーション

  • 2014年01月08日
  • ロジユニヴァース
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 優駿スタリオンステーション(新冠町)が1988年の設立以来、初めて迎えた日本ダービー馬。それが昨年に入厩したロジユニヴァースだ。新冠町内へのダービー馬導入はサニーブライアン(CBスタッド※当時)以来とあって、11月13日のスタッドインには近隣の生産者や(株)優駿関係者、多くの報道陣が集まり、盛大なものとなった。優駿スタリオンステーションの山崎努主任は「初めて見る景色にも動じることなく、堂々とした立ち居振る舞いでした。さすがはダービー馬、と皆が感心していましたよ」と当日の様子を振り返る。スタッドインには久米田正明オーナーも駆けつけ、本州からの移動に使われた馬運車はオーナー所有の特注車、ロジユニヴァース号。種牡馬としての成功を願うオーナーの強い気持ちがそこに表れているようだった。

 ロジユニヴァースは2歳の7月にメイクデビュー阪神(芝1800m)を勝利すると、約3か月間の休養を経て向かった札幌2歳S(Jpn3)で重賞初タイトルを獲得。その後もラジオNIKKEI杯2歳S(Jpn3)、弥生賞(Jpn2)と無傷の4連勝を飾り、押しも押されもしないクラシックの最有力候補となった。1番人気に推された皐月賞(Jpn1)は14着に大敗したが、世代の頂点を決める日本ダービー(Jpn1)で見事に巻き返し、第76代目の日本ダービー馬となった。古馬になって以降は脚部不安などで休養を繰り返し、12年札幌記念(G2)後に再び長期休養へ。復帰を目指していたが叶わず、種牡馬入りが決まった。

 山崎主任が「人間に対して従順で、とても扱いやすい馬」と評するロジユニヴァースは移動後も問題なく環境に慣れ、すぐに通常放牧を始めたという。しなやかな馬体は父ネオユニヴァースにも共通するもの。凛とした立ち姿は良血馬らしい品を感じさせる。「ノーザンファームの生産・育成馬ということで、生産から育成~競走生活に至るまで、しっかりと手が掛けられてきたことがわかります。放牧地においても無駄に駆け回ることなく、オンとオフの切り替えができるタイプ。無意味な消耗がないというのは、種牡馬としてとても大事なことですからね」(山崎主任)

 事務局の(株)優駿にはすでに多くの問い合わせがきており、供用1年目から充実したシーズンを迎えることになりそうだ。