馬産地コラム

タイキシャトルを訪ねて~イーストスタッド

  • 2013年03月06日
  • タイキシャトル
    タイキシャトル
  • 昨年は103頭と交配
    昨年は103頭と交配
  • 冬季、放牧地では馬服を着せている
    冬季、放牧地では馬服を着せている
  • 展示会での様子
    展示会での様子

 浦河町のイーストスタッドで繋養されているタイキシャトル(アメリカ産)を訪ねた。今年で19歳、種牡馬生活15年目を迎える。

 「順調に冬を越してきて、今シーズンに向けて態勢は整いました。高齢の域に近づいてきましたけど、馬体はまぁ、年相応と言った感じです。食欲旺盛で、体調面に不安はありません。」と、近況を語るのは同スタッドの青木大典場長。新ひだか町静内のアロースタッドと2年交代での種牡馬生活で、これから2シーズンはイーストスタッドの番となる。

 放牧地へ行くと、紫色の馬服を着たタイキシャトルが草を食んでいた。近くには息子、いや、代表する息子と言っても良い、メイショウボーラーが雪上を歩いている。柵越しではあるが、2頭は父仔であることをわかっているのだろうか。目を合わせているような気もするし、何も意識していない風にも見える。「おかげさまでボーラーも活躍する産駒を出せてきて、交配頭数も集まっています。この調子で、シャトルの血が繁栄して欲しい。」とは、青木場長の願い。

 これまで出走したタイキシャトル産駒は800頭を超える。G1(Jpn1)勝ち馬はメイショウボーラーを筆頭に、ウインクリューガー、サマーウインド。最近では母の父としても実績を伸ばし、クラーベセクレタ(父ワイルドラッシュ)、マッハヴェロシティ(父マンハッタンカフェ)が重賞で活躍している。

 「サンデーサイレンス系牝馬と交配できますし、スピード能力に優れていること、芝ダート問わないこと、頑丈で長く活躍が見込めることが支持されていますね。」と、青木場長はロングセラーの理由を語る。近代スピード競馬・国内血統バランスとのマッチが強みだ。

 今ではすっかりベテラン種牡馬となった。今年入厩してきたオウケンブルースリは自身より11歳下となる。青木場長は、「5年連続で3ケタの交配頭数を記録していますが、無理のないように種付けをこなしていきたいですね。また、ボーラーを通じて、シャトルの孫世代からも種牡馬を誕生させたいです。」と、夢を描く。それは_種牡馬に携わる人ならではの夢かもしれない。世界を制したシャトルの血なら、きっと叶えられるのではないか。