馬産地コラム

メジロランバダを訪ねて~レイクヴィラファーム

  • 2012年12月05日
  • メジロランバダ
    メジロランバダ
  • 食欲旺盛で、大きな馬
    食欲旺盛で、大きな馬
  • 子育てはベテランの域
    子育てはベテランの域
  • ハービジャーを受胎している
    ハービジャーを受胎している

 1997年の日経新春杯(G2)、1998年の中山牝馬S(G3)の勝ち馬メジロランバダを訪ねた。現在は虻田郡洞爺湖町にあるレイクヴィラファームで繁殖生活を送っている。

 「食欲旺盛で、いたって健康ですね。現役時代はわりと気の強い馬でしたが、歳を重ねて穏やかになりました。これまで8頭の仔に恵まれ、母馬として達観しているような様子です。」と、近況を語るのは同牧場の岩崎義久さん。現在は2010年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)の覇者ハービンジャーを受胎している。

 メジロランバダは父テリオス、母は牝馬3冠メジロラモーヌの全妹メジロマーリンという血統。メジロ牧場のオーナーブリーディングホースとして栗東・池江泰郎厩舎の管理馬となった。デビューは3歳春と遅かったが、ダートで新馬、500万条件を突破すると芝に転じ、当時の900万条件、準OPと特別を連勝。快進撃は続き、重賞初挑戦となる日経新春杯(G2)では堂々1番人気に応えて優勝した。メジロの血統らしく長距離適性があり、その後は阪神大賞典(G2)、天皇賞(春)(G1)で一線級のステイヤーと競った。また、500kgを超す体はダートでも威力を発揮し、砂の深い地方交流重賞でも好走。5歳時に中山牝馬S(G3)を制覇。通算成績は22戦6勝。良血が買われて種牡馬入りしたテリオスの代表産駒となった。

 産駒成績は初仔メジロラガマフィン(牝、父メジロライアン)、2番仔メジロマシューズ(牡、父ステイゴールド)がJRAで2勝。3番仔からの走りがやや振るわないが、重賞馬の意地を見せるべく、子作りに励んでいる。目下の注目は8番仔の1歳(牝、父メジロベイリー)。岩崎さんは、「期待の一頭です。ランバダ自身大きい馬で、仔も大きく出す傾向があり、1歳も立派に育つでしょう。父母はメジロの血統ですし、特別な思いも込み上がりますね。クラシックを意識できる馬にしていきたいです。」と、力が入る。メジロイーグル、メジロラモーヌ、メジロアルダン、メジロカンムリと子孫繁栄を遂げたアマゾンウォリアーの血脈、メジロの系譜から、新たなスターホースが待ち遠しい。

 ひと足早く冬を迎えた北海道。風雪に当たりながらも、同牧場では馬たちの元気がみなぎっている。過保護にせず、厳しい冬も放牧時間を長くとって、肉体と精神を鍛える。

 「自然なかたちで、強い馬づくりを目指しています。」と、岩崎さんは牧場戦略の一つに触れる。メジロ牧場~レイクヴィラファームの変革に、メジロランバダも黙っていないだろう。スタミナに長けた馬らしく、繁殖牝馬としての勝負はこれからが更なる見せ場かもしれない。