馬産地コラム

シンボリクリスエスを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • 2012年11月07日
  • シンボリクリスエス
    シンボリクリスエス
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    シンボリクリスエス

 現役時代は2年連続年度代表馬に輝き、種牡馬としても驚異的なペースで勝星を積み上げているシンボリクリスエスを、社台スタリオンステーションに訪ねた。

 やや奥まった場所にある放牧地。ディープインパクトやマンハッタンカフェらが軒を並べる厩舎に、シンボリクリスエスがいた。ラストランを飾った有馬記念出走時538キロだった馬体はさらに凄みを増して、黒鹿毛の馬体は迫力十分。13歳。種牡馬として充実の年代に入ってきた頃かと思う。その存在感は、スターが揃う社台スタリオンステーションの種牡馬陣にあっても他を圧している。

 JRA総合サイアーランキングは2010年、2011年と連続3位。そして、今年もディープインパクト、キングカメハメハの次に位置する堂々の3位(2012年11月7日現在)。トップスタリオンとしての地位を不動のものとしている。

 2012年シーズンはストロングリターンが1分31秒3のレコードタイムで安田記念(G1)に勝ったほか、昨年の2歳王者アルフレードもNHKマイルカップ(G1)で2着。「シンボリクリスエスにとって最初のG1勝馬がサクセスブロッケンだったこともあって、どうしてもダートのイメージが強いのかもしれませんが、昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)(勝馬アルフレード)に続いて芝のマイルG1を2勝。そんなイメージを覆せたらよいですね」と同スタリオンでは話している。

 また、10月21日には大物の呼び声高いエピファネイア(牡2歳、栗東・角居勝彦厩舎)が京都競馬場芝1800mのデビュー戦で豪快な末脚を披露。非凡な能力を証明した。日米オークス馬シーザリオの第3仔として生まれた同馬には、これからも大きな注目が寄せられることだろう。

 そんな産駒の活躍もあって、同日には5年連続5度目のJRA年間100勝も達成した。産駒デビュー2年目から5年連続年間100勝超えはサンデーサイレンス以来だという。地方競馬とあわせれば4年連続で200勝超え。通算勝利も1000勝を突破した。

 「産駒は父親譲りの雄大な馬格の持ち主が多いのですが、とにかく丈夫で使い減りしないという印象です。出走回数が多く、丈夫で長持ち。芝、ダートは問わずに安定して活躍してくれる。そんな傾向が理解されてきたようで生産者のみなさま、馬主の方々から大変ご好評をいただき、この春も203頭の牝馬に配合することができました。これからデビューする馬はもちろんですが、来春に生まれてくる子の活躍も期待しています」と楽しみを広げている。

 「2011年シーズンは、勝馬頭数、収得賞金ともに自己最高を記録しましたが、2012年シーズンは、それをさらに上回るようなペースで勝馬を出しています。とくに2歳勢が好調です」と目尻を下げている。11月4日現在、同馬の2歳世代はJRAで71頭が出走。延べ161走を記録している。これは全種牡馬の中でナンバーワンの数字だ。そして、その中には骨格の良さを更に引き立たせる黒鹿毛の馬体と、パドックなどで一目見ただけで、シンボリクリスエス産駒だと分かる馬も多い。