馬産地コラム

レジネッタを訪ねて~追分ファーム

  • 2012年04月04日
  • レジネッタ
    レジネッタ
  • 母馬らしくなってきた
    母馬らしくなってきた
  • 今年生まれた当歳(牡 父ハービンジャー)と
    今年生まれた当歳(牡 父ハービンジャー)と
  • 顔つきは母似
    顔つきは母似

 2008年の桜花賞馬、レジネッタ(追分ファーム生産)を訪ねた。2010年12月、競走馬登録を抹消して繁殖入り。今年、安平町の追分ファームで無事に初仔を生んでいる。

 今年で7歳となるレジネッタ。馬名の由来はイタリア語で「若い女王」を意味する。繁殖牝馬となった今もその名の通り、牝馬の頂点を極めたオーラを漂わせながら、春はまだかと母仔で放牧地を走りまわっている。

 牧場の方に近況を伺うと、「種付けもお産もスムーズでした。現役時代はカッとなりやすい面がありましたが、母親となって穏やかになっていますね。何も心配はありませんよ。」と、明るい。2月7日に誕生したのは父ハービンジャーの栗毛牡馬。2010年、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)で歴史的な大差勝ちを決めた父の遺伝子を合わせ、大物の予感も自然とこみ上げてくる。

 レジネッタは父フレンチデピュティ、母アスペンリーフ、母の父サンデーサイレンスという血統。フレンチデピュティ×サンデーサイレンスの組み合わせは活躍牝馬が目立ち、プロヴィナージュ、ライラプス、アンブロワーズと同じ。母系を遡るとDubai Millenniumやティンバーカントリーといったビッグネームも出てくる。

 現役時代は桜花賞(Jpn1)を含めて4勝。桜花賞(Jpn1)では12番人気の低評価をあざ笑うかのような豪脚を発揮し、地方競馬から移籍した小牧太騎手にJRAの初G1(Jpn1)をプレゼントした。続く優駿牝馬オークス(Jpn1)ではトールポピーから僅か0.2秒差の3着に敗れたが、桜花賞勝ちは決してフロックではなく、世代トップクラスの牝馬であることを明らかにした。その後は意外にも苦戦が続いたが、5歳春の福島牝馬S(G3)で2年ぶりに重賞V。好走レースは人気薄の時が多く、穴党ファンに思い出深い一頭かもしれない。

 順調にお産を終えて、今度は種付けが待っている。今年もサンデーサイレンス系に合う種牡馬がセレクトされるようだ。牧場では、「競走成績も素晴らしく、筋の通った血統。当然、仔たちも大舞台へ送り出していきたい。」と、期待は大きい。待望の産駒デビューへ向けて、じっくりと子育てに励んで欲しい。