馬産地コラム

ワンダーヘリテージ2011

  • 2011年12月25日
  • ワンダーヘリテージ2011
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  • ワンダーヘリテージ2011_2
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 ワンダーヘリテージ2011 2011年5月2日 牡 黒鹿毛
 父ケイムホーム
 母ワンダーヘリテージ 

 2009年のジャパンカップダート(G1)にワンダースピード、ワンダーアキュートと兄弟を送り込み、2011年の同レースではワンダーアキュートが2着になって、産駒がG1戦線でも十分に戦えることを証明したワンダーヘリテージの第9仔「ワンダーヘリテージの2011」を新ひだか町三石のフクダファームへと訪ねた。

 国道235号線から鳧舞川沿いに10キロ以上は内陸に入り込む清瀬地区。日高山脈からミネラル豊富な伏流水がふんだんに流れ込む地区にあり、近隣に軽種馬の生産牧場は数えるほどしかない。「ここは山すそに近いので、夏になると虫対策が大変なんです」と同ファームの福田真一さんは言うものの、広い牧柵にはネットが張られて対策は十分に取られている。

 そんな中で、日本軽種馬協会静内種馬場で種牡馬生活を送るケイムホームを父に持つワンダーヘリテージの2011は5月2日に元気に産声をあげた。

 「ワンダースピードとワンダーアキュートが兄弟で東海S(G2)に勝たせてもらって、ほかの兄姉もダートで勝鞍があるのですが、牧場時代はみんなタイプが違うんですよ」と真一さん。例えば「ワンダースピードは気性の強さを前面に出すタイプでしたし、ワンダーアキュートは手がかからなかったです。1歳のアルデバランの牝馬はおとなしいけど、この馬は遅生まれになってしまいましたが、元気いっぱい。結構やんちゃですよ」という。

 ケイムホームは12戦9勝。軽快なスピードを武器に米国競馬で活躍しブリーダーズC(2回)とケンタッキーダービー(G1)以外はすべて勝利するという中距離ランナーだった。

 「ケイムホームもそうですが、兄姉がダートの中距離で活躍してくれていますので、この馬もそういうタイプになって欲しいですね。ワンダーアキュートよりもひとまわり小さいですけど、ワンダースピードくらいの大きさにはなると思います。楽しみです」と夢を広げている。性格は「普段は手がかからないけど、頑固な一面があり、気は強い」というからいわゆるがまんが利く、競走馬向きの気性なのだろう。

 どちらかといえば父親の特徴を引き出す傾向があるという母。もうすっかりベテランの域に入り「仔育ては上手」というが、いまだ放牧地ではボスの座を明け渡していないらしい。そんな元気の良さも頼もしいばかりだ。

 「配合に関しては、なるべく日本軽種馬協会の種牡馬から選ぶようにしています。今年はエンパイアメーカーを配合しました」と嬉しい報告をしてくれた。