オースミハルカ2011
オースミハルカ2011 2011年4月4日 牝 鹿毛
父マンハッタンカフェ
母オースミハルカ
軽快な逃げ脚質を武器にチューリップ賞(G3)やクイーンS(G3)2連覇など重賞4勝。エリザベス女王杯(G1)でも2度にわたってゴール前まで見せ場をつくったオースミハルカの第5仔「オースミハルカの2011」を浦河町の鮫川啓一牧場に訪ねた。
「現役引退からもうすぐ6年になろうとしているのに、いつもたくさんのファンの方がオースミハルカを気に留めてくれて嬉しいです」と鮫川啓一さん。今でも春から秋にかけては多くのファンが牧場に足を運ぶそうだし、誕生日やクリスマスになればメッセージカードが送られてくるという。
そんなオースミハルカはあいも変わらず「ほかの馬には威張っているけど、自分の子供はかわいがる子煩悩なところがあるよい母親です」という。
現役引退から順調に受胎、出産を繰り返し、本馬はその第5仔として4月4日に産声をあげている。父は2009年の総合チャンピオンサイアー、マンハッタンカフェ。同馬が種牡馬王者になった翌年に種付けを行なった期待の配合馬だ。
「オースミハルカという馬は血統的にも馬体的にも配合種牡馬を選ぶタイプではないですが、とにかく良いと思うものを配合しています」という。この馬が生まれたときは「牡馬かと思った」というほどに節々がしっかりした当歳馬だったという。それから順調な成長曲線を描いているという。「引退から5年連続の出産が示すように、受胎に困ることもないし出産も楽。だから母体の消耗が少ないんだと思います。来年はハーツクライの仔を出産予定です」という。さすが100年以上も続く名牝系で、現役世代を代表する活躍牝馬だ。
いまは5頭ほどの同期生と一緒の放牧。すらっと背が高い本馬は目立つ存在だが「特別に威張るわけでもないし、いじめられるわけでもない。うまく自分のポジションを確立しています」という。オースミハルカの仔は総じて賢い馬が多いらしいが、この馬もそういうタイプのようだ。
「応援してくれる方たちのためにも母に負けないような馬を送り出すことが使命だと思っています」と鮫川さん。「この馬は牝馬ながらに馬格もありますし、性格的にも落ち着いています。マンハッタンカフェの産駒ですから距離の融通性もあるはずですし、楽しみにしているんですよ」という言葉に力を込めた。