馬産地コラム

タニノギムレットを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • 2012年01月20日
  • タニノギムレット
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 JRA史上初となる、父娘によるダービー制覇。ウオッカの生産者は、「タニノギムレットが種牡馬となっていたからこそ、ウオッカは産まれた」と種牡馬としてのタニノギムレットのポテンシャルを高く評価する。

 3歳時にシンザン記念(G3)で初重賞制覇をあげると、その後、アーリントンC(G3)、スプリングC(G2)と重賞3連勝。1番人気で臨んだ皐月賞(G1)とNHKマイルC(G1)こそ3着に破れたものの、日本ダービー(G1)では見事に雪辱を果たして見せた。この日本ダービー(G1)では同じ社台スタリオンステーションで繋養されているシンボリクリスエス、そしてゴールドアリュールを下している。

 「自身のような大物を出してきたブライアンズタイムの血を引いていることもあるのか、種牡馬としてもウオッカという名馬を送り出してくれました。自身もブライアンズタイム産駒らしく性格も穏やかで、放牧地でものんびりと過ごしています」

 と社台スタリオンステーションの徳武英介さん。その徳武さんからしても、ウオッカ以降に目立った産駒が出てこないのは歯がゆいようで、「産駒は条件を問わずに活躍をしてくれていますが、やはりG1級の大物が現れて欲しいところです」と話す。

 生産界に数を増やしているサンデーサイレンスの血を引く牝馬との配合に困らないだけでなく、ウオッカのように日本で育てられてきた牝系との配合でも結果を残せたということは、どの血統からでも高いポテンシャルを持った産駒が現れてくる可能性があるということ。未来のウオッカ、もしくはタニノギムレット2世は、今の当歳馬か1歳馬、もしくはまだデビューしていない2歳馬の中にもいるのかもしれない。