ファルブラヴを訪ねて~社台スタリオンステーション
ワンカラット(フィリーズレビュー(Jpn2)、函館スプリントS(G3)、キーンランドC(G3))、エーシンヴァーゴウ(セントウルS(G2)、アイビスサマーダッシュ(G3))、ダンスファンタジア(フェアリーS(G3))、そしてファンタジーS(G3)をアイムユアーズ。ここまでファルブラヴの産駒の重賞馬は、全て牝馬である。
「牝馬が活躍するので、牡馬と比べると売却率が落ちるという一般的な種牡馬とは違って、ファルブラヴの産駒は牝馬でも好調な売れ行きを示しています。また、牝馬が生まれても安心ということもあるのか、生産者に方にも人気の高い種牡馬ですね」(社台スタリオンステーション・徳武英介さん)
世界的な名種牡馬フェアリーキングの産駒でもあるファルブラヴは、03年にG1レースを5勝するなど、26戦13勝(G18勝)の成績を残した。その活躍が認められ、03年にはカルティエ賞全欧最優秀古馬にも選出。日本では04年から種牡馬入りしているが、熱烈なオファーを受ける形でその年の秋にはシャトル種牡馬としてオーストラリアへ、次の年には春シーズンもイギリスで繋養されることとなった。「06年誕生の産駒がいなくなったことで、種牡馬成績も落ちたのは事実でした。でも、今後は日本で生まれた産駒も競馬を賑わせていきますし、まだまだ産駒成績を上げていくこととなりそうです」(徳武さん)
その言葉を証明するかのように、11年度はこれまでの最高となる164頭の繁殖牝馬に配合。それほど数が多くない産駒からも重賞馬が誕生したことを考えると、12年度産駒こそが種牡馬ファルブラヴの真骨頂と言えそうだ。
「こうなると後は牡馬からも重賞勝ち馬が誕生してくれるのを待つだけですね」と徳武さん。世界がその能力を認めた名馬は、きっと自身のような立派な馬体をした牡馬を送りだしてくれるはずだ。