馬産地コラム

ダノンシャンティを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • 2012年01月17日
  • ダノンシャンティ
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 ダノンシャンティが社台スタリオンステーションにやってきたのは、昨年の5月21日。種付けシーズン後半になったとは言えども、まだまだスタリオンには多くの牝馬が訪れ、先輩種牡馬もひっきりなしに種付け場と厩舎を往復していた。

 「スタッドインした時には、様々な方から『今年は配合させるの?』との問い合わせをいただきました。時期的なことや種牡馬としての体作りをさせるために、昨シーズンからの配合は見送らせてもらいましたが、それだけダノンシャンティの種牡馬としての可能性を感じ取っていただけたのは嬉しいことでした」(社台スタリオンステーション・徳武英介さん)

 単勝1番人気に支持された10年のNHKマイルC(G1)では、レースレコードである1分31秒4の時計で走破。G1勝ちはこの1勝だけとなったが、鮮烈すぎるレース内容は、深く関係者の中にも残っていたのだろう。

 「胸の深い馬体など、父のフジキセキと外見的にも似た面がありますし、種牡馬としても父のフジキセキと同様にマイル適正の高い産駒を送り出してくれるのではないのでしょうか。また母系にはシングスピールやデヴィルズバッグの名前もありますが、こうしたヨーロッパの良血もいいエッセンスとなって産駒に遺伝されていきそうです」(徳武さん)

 現役時から気性の強さが目立つエピソードが幾つもあったダノンシャンティではあるが、種牡馬生活を送る今でも元気な所を見せているという。でも、この気性があったからこそ、府中の長い直線で末脚を爆発させることができたとも言える。サンデーサイレンスからフジキセキ、そしてダノンシャンティにも受け継がれてきたこの父系を、どう発展させていくのかも楽しみだ。