馬産地コラム

シンボリクリスエスを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • 2012年01月16日
  • シンボリクリスエス
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    シンボリクリスエス

 先月、産駒のアルフレードが、朝日杯FS(G1)を優勝。産駒では初めての芝G1レース制覇は、種付けシーズンを控えたシンボリクリスエスにこの上ない追い風となった。

 「この2歳世代は最強世代と言っていいほどに良質の繁殖牝馬を多く集めることができました。アルフレードは芝のG1馬となりましたが、母系の良さも引き出すことができたからではないのかと思っています」(社台スタリオンステーション・徳武英介さん)

 シンボリクリスエス産駒に共通しているのはその外見的要素。長く伸びた耳、骨格の良さを更に引き立たせる黒鹿毛の馬体と、パドックなどで一目見ただけで、シンボリクリスエス産駒だと分かる馬も多い。

 種牡馬入りして今年で9シーズン目となるが、これまでの産駒はフェブラリーS(G1)の勝ち馬サクセスブロッケンを筆頭に、ダートで好成績を残していた。見た目だけでなく産駒実績まで固定されたイメージを持たれていたが、アルフレードの活躍によってその見方は変わってくるはず。

 そもそもシンボリクリスエス自身が、天皇賞(秋)(G1)と、有馬記念(G1)という芝の大レースを連覇したような名馬。むしろ産駒に高いダート適正が遺伝されていることが不思議であり、自身の競走成績のイメージからしても、アルフレードのような芝マイルのG1馬が出たのも不思議と言えそうだ。

 「2011年はリーディングサイアー争いでも2位にランクインされ続けたように、産駒は勝ち上がり数も多く、また息長く走る傾向にあるからこそ、このランクをキープしているのだと思います。自身と同様に産駒も元気な馬が多いですし、今後も条件を問わずに競馬場を賑わせてもらいたいです」(徳武さん)