馬産地コラム

カンパニーを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • 2012年01月13日
  • カンパニー
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 近年の競馬界で、最も華々しく引退を果たした馬がカンパニーではないだろうか。8歳時の毎日王冠(G2)でウオッカなどの強豪を退けると、そこから天皇賞(秋)(G1)、マイルCS(G1)とG1競走を連勝。8歳馬の平地G1制覇は史上初の快挙であるが、G1連勝となると、今後、後に続く馬は出てこないかもしれない。

 「現役時に鮮烈な印象を残したこともあって、繋養初年度から多くの繁殖牝馬を集めることが出来ました。また、自身のバランスの取れた馬体や、サンデーサイレンスを持たない血統構成なども人気に繋がった要因だと思います」(社台スタリオンステーション・徳武英介さん)

 8歳までG1タイトルには縁が無かったカンパニーであるが、これは戦ってきた相手が悪かったとしか言いようがない。同世代にはキングカメハメハやハーツクライがいるレベルの高い01年世代。古馬となってからもディープインパクトやダイワメジャーなど、一流のサンデーサイレンス産駒と互角以上の勝負を繰り広げてきた上に、ウオッカ、ダイワスカーレットという歴史に残る名牝とは、08年の天皇賞(秋)(G1)で、タイレコードの戦いも繰り広げてきたのだから。

 祖父に当たるトニービンは社台スタリオンステーションで繋養されていた種牡馬。直仔ではジャングルポケットが繋養されているが、孫の代ではカンパニーが初めてのスタッド入りとなった。「大舞台に強いとされるトニービンの血ですが、この母系はコンスタントに活躍馬を輩出しており、アベレージの面でも高い種牡馬成績を残してくれそうです」(徳武さん)

 繋養初年度はこの年の新種牡馬では最多となる139頭、そして2年目となる今年も98頭の繁殖牝馬を集めてみせた。競走馬としては息長く活躍し、そして頂点にも立ったカンパニーであるが、種牡馬としても同様の成績を残してくれそうな気がする。