馬産地コラム

ヴィクトリーを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • 2012年01月12日
  • ヴィクトリー
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 社台スタリオンステーションにはヴィクトリー、そしてリンカーンの兄弟が種牡馬として繋養されている。

 「以前は兄弟が互いに見える放牧地にいましたが、最近になってヴィクトリーが離れた場所に移動してしまいました」とは社台スタリオンステーションの徳武英介さん。そのリンカーンは父がサンデーサイレンス、そしてヴィクトリーは父がブライアンズタイムということで、馬体や性格もまるで違っている。

 「ヴィクトリーはブライアンズタイム産駒の典型というか、しっかりとした腹袋を有していて、重心も低く見えます。気性が穏やかなところも、父が出ていますね」(徳武さん)

 リンカーンの活躍もあり、デビュー前から将来を嘱望されていたヴィクトリーは、2歳新馬戦を勝利した後、クラシックの登竜門となった感もあるラジオNIKKEI杯2歳S(G3)で2着。休養明けの若葉Sを勝利し、迎えた皐月賞(Jpn1)では、ゴール前でのたたき合いをハナ差封じ込み、第67代の皐月賞馬となった。

 リンカーンは2010年に初年度産駒をデビューさせ、その中からデルマドゥルガーが桜花賞(G1)に出走するなど、種牡馬として順調な滑り出しを切っている。弟のヴィクトリーも来年に初年度産駒をデビュー。産駒数こそ少ないが、皐月賞(Jpn1)を勝利した自身の仕上がりの良さとスピード能力が遺伝されれば、あっと言わせるような産駒を輩出する可能性もある。

 「馬自身はとても健康で元気ですし、まだまだ仕事をさせてあげたいですね」と徳武さん。現役時は叶わなかった兄弟の直接対決は、来年、産駒たちに見せてもらうことにしよう。