ゴールドアリュールを訪ねて~社台スタリオンステーション
スマートファルコン、エスポワールシチーと、現在のダート戦線におけるトップホースを送り出し、ダートトップサイアーとしての地位をすっかり確立したのがゴールドアリュール。
「繋養当時からすると種付け料が上がったにも関わらず、種付け頭数は安定しています。ダート界のスターを送り出しているだけでなく、優秀な勝ち上がり率を示していることが、この人気に結びついているのでしょう」(社台スタリオンステーション・徳武英介さん)
産駒にも遺伝されたダート適正の高さは、現役時の成績にも証明されている。初ダートの3歳500万下、続く端午Sと圧勝し、その年の日本ダービー(G1)では5着入着ながらも、直線では抜け出そうかという脚を使ってみせた。その後は、ダート界のダービーであるジャパンダートダービー(G1)、ダービーGP(G1)を優勝。その年の暮れには東京大賞典(G1)も制してみせた。
次の年にはフェブラリーS(G1)で中央のG1初制覇。イラク戦争に端を発した中東情勢の不安もあって、予定されていたドバイワールドカップ(G1)への出走は見送ったものの、返す刀で59㎏の斤量を背負ったアンタレスS(G3)を優勝と、自力の高さを証明した。
「それまでダートで産駒実績を残している種牡馬は、種付け料も低く設定されることが多かったですが、その見方を変えたのがゴールドアリュールと言えるでしょう。でも、最近はネオユニヴァースもダートにおける産駒実績を上げてきていますし、うかうかとはしていられ無そうですね」(徳武さん)
そのネオユニヴァースがサンデーサイレンス産駒らしい、薄手で軽い馬体をしているのに対し、ゴールドアリュールの馬体は見た目にもダートを得意としていそうな筋肉質の、いかにもパワータイプ。産駒にもこの見た目の特徴は強く遺伝されている。
種牡馬生活も8シーズン目を迎え、筋肉質の馬体はより逞しさを増した。やんちゃな一面もあり、「気は優しくて…」とまではいかなくとも、「力持ち」ぶりを砂の上で発揮してきた能力は、今後も産駒へと遺伝されていく。