馬産地コラム

サクセスブロッケンを訪ねて~JRA東京競馬場

  • 2011年12月27日
  • サクセスブロッケン
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 2008年のジャパンダートダービー(Jpn1)、09年のフェブラリーS(G1)、そして同年暮れの東京大賞典(Jpn1)に勝ったサクセスブロッケン(6歳)は、11年1月30日の根岸S(G3)13着を最後にJRAの競走馬登録を抹消。現在はJRA東京競馬場の乗馬センターで誘導馬として練習を積まれている。

 「まさか、G1レースの勝馬、それも3勝馬がここ乗馬センターに来るとは思いませんでしたから、最初に聞いたときはビックリしました」と同競馬場のスタッフが、その第一印象を語ってくれた。「とにかく最初は大きな馬という印象でした。そしてまだ若いせいもあって力も強いですね」という。

 現在は平日の午前中、約1時間程度の騎乗練習を行なっている。「背中の柔らかさや、乗り味の良さは走る馬特有の素晴らしさをもっています。実際に1mくらいの障害は楽に飛ぶなど、身体能力は高いですね」と評価は高い。ただし、乗用馬としては真面目すぎる性格が災いして一生懸命になりすぎるところがあるようだ。

 そういえば重賞初Ⅴとなったジャパンダートダービー(Jpn1)では横山典弘騎手が引っ張りきれないというような手応えで逃げるナンヨーリバーにプレッシャーを与え続け、早め先頭から独走。追いすがるスマートファルコンを完封するかのようなレース内容だった。また翌年春のフェブラリーS(G1)も離して逃げるエスポワールシチーをカジノドライヴとともに積極的に追いかけて直線で末脚を炸裂。カネヒキリやヴァーミリアンといったダートのチャンピオンたちを抑え込んでいる。

 そして、いまは障害練習のかたわら、競馬場の開催日などを利用してパドックやコースなどを歩く“スクーリング”も行なっている。「物覚えそのものはよいほうですし、素直なところもあります。運動を終えると厩舎の裏手にあるパドックに放すのですが、集牧のときなんかは鳴きながら寄ってくるんです。かわいいところがあるんですよ」というものの、まだテンションがあがりすぎる傾向があり、誘導馬デビューにはもう少し時間がかかりそうだという。その代わりではないが、休み時間のパドックで会えることもあるだろうし、競馬場内のローズガーデンに展示されることもある。

 「素晴らしい馬をお預かりすることになりましたので、誘導馬デビューを目標に、大切に育ていきたいと思います。なかなかお披露目にはいたりませんが、馬自身はとても元気です。ご安心ください。」というので暖かい目で見守っていて欲しい。