ネガノ2011
ネガノ2011 2011年5月10日 牝 鹿毛
父サクラバクシンオー
母ネガノ
2011年秋の北海道馬産地見学ガイドツアーにご参加いただいた方々にとっては2度目の紹介になるが、あれから約1か月半後の11月中旬、再び日高町の名門、下河辺牧場の門を叩いた。
あのときも骨太で筋肉質の馬体をご覧いただいたが、さらに逞しさを増した本馬がいた。
「ダッシャーゴーゴーの全妹という血統になります。配合したときはあれほどまでに出世してくれるとは思いませんでしたが、全兄も牧場時代から目立つ馬体の持主でした。期待した配合ですから、その期待どおりの好馬体で嬉しいです」と下河辺隆行さんが教えてくれた。
父親譲りの鹿毛の馬体。牝馬だけに、500キロを優に超える全兄には及ばないが「5月生まれということを考えれば、現段階でも十分な馬格に成長しています。おそらく、470~80キロくらいまでは成長してくれそう」と期待している。
「ネガノという母親は父親の良さを引き出してくれるお母さんです。フレンチデピュティを配合すれば栗毛に、クロフネとの間には芦毛馬を、そしてサクラバクシンオーを父に持つ2頭は鹿毛に。それでいてどの仔も走ってくれる。素晴らしいと思います」と感心したように話してくれた。
たしかに、競走年齢に達した8頭中デビューした6頭はすべて勝ちあがっており、うち5頭がJRAでというハイレベルな成績だ。中でも、本馬の全兄ダッシャーゴーゴーは重賞3勝。10年のスプリンターズS(G1)では勝馬ウルトラファンタジーにハナ差まで迫る2位入線(4着)という惜しい星もある。
「おそらく、この馬も短いところでスピードを生かすような競馬があっていると思います。骨がしっかりしているのは父、兄ゆずり。気が強いというよりも、しっかりと自己主張をするような、そんなタイプです」と頼もしそうだ。
父のサクラバクシンオーは現役時代にスプリンターズS(G1)2連覇など短い距離で実績を積み上げて、種牡馬としても優秀なスピードを伝え続けてきたが、2011年シーズンなかばで急逝。その血をしっかりと伝えてくれる牝馬という意味でも貴重な1頭となりそうだ。