馬産地コラム

ファイトガリバー2011

  • 2011年12月14日
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 ファイトガリバー2011 2011年2月27日 牡 黒鹿毛
 父ネオユニヴァース
 母ファイトガリバー

 「6年ぶりに母親になれました」と日高町の天羽牧場スタッフの声が弾んだ。1996年の桜花賞馬ファイトガリバーがアグネスファスト(牝6歳、父アグネスタキオン)以来となる出産をした。生まれたのはネオユニヴァースを父に持つ牡馬だった。

 ファイトガリバーは、近年の最強牝馬世代のひとつに数えられる1993年生まれ。同期牝馬には94年にチャンピオンサイアーとなったトニービン産駒のエアグルーヴがいて、ビワハイジがいる。ビワハイジと同じカーリアン産駒のイブキパーシヴやグルームダンサー産駒のリトルオードリー、あるいはシャーリーハイツ産駒のロゼカラーなどがクラシックを盛り上げた。その中でチューリップ賞(G3)を5馬身差で制したエアグルーヴを筆頭とした伊藤雄二厩舎四天女王は圧倒的な存在感を示していた。新馬、コスモス賞、中京3歳Sを勝ったセンターライジング。新馬、エリカ賞、ホープフルSと不敗のまま勝ち進んだメイショウヤエガキ。フェアリーS(G3)優勝を含み6戦3勝2着3回の成績を残し、桜花賞(G1)で3番人気に支持されたのは、ファイトガリバーと同じ天羽牧場生産のマックスロゼだった。

 ところが、おそらく出てくれば1番人気だっただろうエアグルーヴが直前になって熱発のために桜花賞(G1)を回避。百花繚乱の混戦桜花賞(G1)を制したのは10番人気ファイトガリバーだった。当時のことを牧場主は「ファイトガリバーはミホノブルボンが勝ったダービーで2番人気(7着)になったナリタタイセイの全妹なんです。ナリタタイセイが活躍してくれたのでもう1度ダイナガリバーを配合しました。無念を晴らしてくれたみたいで嬉しかったです」と喜びを語っている。もし仮に、エアグルーヴが出走していればファイトガリバーは抽選対象になっていただけに、勝負事における“運”の大切さを知らしめる結果にもなった。

 ご覧のように、母ファイトガリバー、そして母の父ノーザンテーストゆずりの大流星。「(母の全兄)ナリタタイセイにもよく似ています。縁起がよいですね」とスタッフ。ファイトガリバーにとって久しぶりの産駒だけに「ベテランのお母さんなんですが、馬自身も嬉しいのかすごく仔馬をかわいがっていました。サンデーサイレンス系との相性も良さから、今年はディープインパクトを配合したんですよ。」と近況を報告してくれた。

 生まれた仔は「生まれたときは母親似かなと思ったのですが、成長するに従いスラっとしてきてサンデーサイレンス系特有のバネを感じさせる馬になってしました。ファイトガリバーの仔はだいたい470~80くらいで競馬する馬が多いので、この馬もそれくらいには成長してくれると思います」とコメント。父のネオユニヴァースはサンデーサイレンス直仔のダービー馬として初めてダービー馬の父になった名種牡馬。ヴィクトワールピサの活躍で、その血がワールドワイドであることも示している。

 「どの馬でもそうですが、まずは無事に競馬場へ送り出すこと。そしてお母さんの名前を思い出してくれるような活躍をしてくれたら最高ですね」と期待している。