馬産地コラム

ビッグテンビー2011

  • 2011年12月08日
  • ビッグテンビー2011_1
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 ビッグテンビー2011 2011年4月12日生まれ 牡 鹿毛
 父キングヘイロー
 母ビッグテンビー

 2006年の朝日杯フューチュリティS(G1)2着馬で、09年のJRA賞最優秀短距離馬ローレルゲレイロの全弟を新冠の村田牧場へ訪ねた。

 「ビッグテンビーは本当に素晴らしい母親ですね」と村田牧場の村田洋幸さんが少し照れたように胸を張った。現役時代は慢性な脚部不安に悩まされ、2年半の競走生活でわずか4走しかできなかったビッグテンビーだったが、母親としてはそのスピードを産駒に伝えて多くの勝馬を送っている。初仔のローレルゲレイロから8年連続で出産し、そのローレルゲレイロを筆頭に産駒は5世代連続でJRAの勝馬となった。第5仔のリキサンマックスは今春のきさらぎ賞(G3)2着馬。ゴール前でトーセンラーの強襲に屈したものの2着を確保し、3着オルフェーヴル、4着ウインバリアシオンには先着している。

 「2歳世代のイントゥザブルーも札幌競馬の新馬戦で2着していますし、1歳のアドマイヤムーン牝馬も育成場に移動して競走馬としての第1歩を力強く踏み出しています。ローレルゲレイロは偉大な馬ですが、それを踏まえても産まれてくる仔は年々良くなっているような気がします。今年はマンハッタンカフェを受胎しています」と本馬も褒める。

 前述のように8頭の産駒のうち4頭がキングヘイロー産駒。80年代の欧州最強馬といわれるダンシングブレーヴと米国の名牝グッバイヘイローとの間に生まれ、自身もG1ウイナーへとのぼりつめた“ミスターサラブレッド”だ。多くの良血を受け、産駒は不敗のオークス馬カワカミプリンセスや交流重賞ダイオライト記念(Jpn2)勝馬キクノアローなど産駒は芝ダート、そして距離の長短を問わずに多くのカテゴリーで活躍している。

 「相性のよい血統ですし、兄よりもひとまわり大きいので力強い馬になると思います」と目を細めている。気性の強さも母親譲りで「兄姉に共通しているもの。おそらく短い距離でスピードを生かすような競馬があっているような気がします」というから心強い限りだ。