馬産地コラム

エモシオンを訪ねて~白井牧場

  • 2011年08月04日
  • エモシオン~1
    エモシオン~1
  • エモシオン~2
    エモシオン~2
  • エモシオン~3
    エモシオン~3
  • 力強い歩様を見せてくれました
    力強い歩様を見せてくれました

 1999年の京都記念(G2)の勝ち馬エモシオン(白井牧場生産)を訪ねた。現在は故郷・白井牧場で余生を送っている。

 16歳となった馬体は若々しく、老いは全く感じられない。放牧地でのウォーキング写真を撮影すると、我先にとリードしていくほどだ。日頃、エモシオンのお世話をしているのは同牧場スタッフの川島純子さん。JRAの川島信二騎手の妹さんで、同牧場に勤めてからずっとエモシオンの面倒を見ている。近況については、「病気もなく元気一杯に過ごしています。少し物見をする癖があるので、厩舎への出し入れの際は気を付けています。」と、伝えてくれた。

 母はオークス馬アドラーブルという良血馬で、スタッフの間ではおぼっちゃま的なキャラクターで知られているという。あだ名は「エモちゃん」。健康維持のため、日頃、若手スタッフが30分ほど乗り運動をしている。川島さんも騎乗している一人だ。「さすがは重賞勝ち馬とあって、良い背中をしていますね。乗り手の言うことも素直に聞いてくれます。」と、乗り味を語る。

 エモシオンの生まれた1995年産馬は最強世代ともうたわれていて、エルコンドルパサー、グラスワンダー、スペシャルウィーク、セイウンスカイ、キングヘイローといった錚々たる顔ぶれと同い年だ。現役時代はクラシック牡馬3冠全てに出走。母仔G1制覇こそ叶わなかったが、息子も立派に大舞台を戦い抜いた。4歳春に京都記念(G2)で初重賞タイトルを獲得し、古馬G1で3歳時のリベンジを果たすかと思われた矢先、脚部不安を発症。復帰後も思うような成績を残せず、残念ながら競馬場を去ることとなった。

 引退から9年が経過し、今では生まれ故郷でのびのびと過ごす。今もファンの方が時々見学に来られているという。「これからも健康で長生きして欲しいと思います。」と、川島さん。放牧地を無邪気に走りまわる様子を眺めていると、その願いに“大丈夫!”と伝えているように思えた。