馬産地コラム

ハイアーゲームを訪ねて~ブリーダーズスタリオンステーション

  • 2011年02月25日
  • ハイアーゲーム~1
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    ハイアーゲーム~3

 人気種牡馬を多数抱える日高町のブリーダーズスタリオンステーション。2010年シーズンも、スキーパラダイス、エリザベスローズ、ディスコホール、レディコスマーらを含めた1350余頭の繁殖牝馬がここを訪れた。

 「72頭という数にも満足していますが、こうした繁殖牝馬に期待の高さを感じますね」と同ステーションの坂本教文主任が満足そうにふり返った。そう。前述の名繁殖牝馬たちは、いずれもハイアーゲームの血を求めて来た馬たちだ。

 「大きなタイトルには恵まれなかったですけど、血統馬ですし、サンデーサイレンス産駒らしい気性の強さも心強い限りです。この馬自身が市場で高額取引されたように、馬体も見栄えのする、素晴らしい馬だと思います」と絶賛している。

 2004年のクラシックシーズン。その頂点ともいえる日本ダービー(G1)でキングカメハメハとともに勝ちにいって3着となった。その後、脚部不安に長い休養を余儀なくされたが、6歳秋の鳴尾記念(G3)で3年7か月ぶりの重賞Vも飾った。

 「そんなドラマティックなことも含め、長く現役生活を続けたせいもあるんでしょうが、ファンが凄く多いですね。今年の夏は、1番人気だったかもしれません」という。ステイゴールドやタップダンスシチー、アドマイヤジャパンといった人気馬の常連組を抑えたのだから、驚いた。整然と並べられた同スタリオンの放牧地の一番奥。ターゴワイスやエアシャカール、タヤスツヨシらの魂が眠る墓碑に一番近い放牧地がハイアーゲームの居場所だ。体高166センチあるという漆喰の馬体がどこか誇らしげだ。

 「まだ気性は若く、撮影のときには苦労することも多いですが、仕事に関しては種付けは上手で受胎率も抜群。そんなところがサンデーサイレンス産駒なんでしょうね」という。

 同じ年に、同じサンデーサイレンス産駒として生まれ、同じ年に同じブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬生活をスタートさせたスウィフトカレントとは妙なライバル関係にあるようで、互いに意識しあっているという。

 「日本ダービー(G1)で1着だったキングカメハメハが次々活躍馬を送り出し、2着のハーツクライも初年度から活躍しています。3着のハイアーゲームも負けないように頑張って欲しいですね」とエールが送られている。