馬産地コラム

ショウナンパントルを訪ねて~白老ファーム

  • 2011年02月17日
  • ショウナンパントル~1
    ショウナンパントル~1
  • ショウナンパントル~2
    ショウナンパントル~2
  • ショウナンパントル~3
    ショウナンパントル~3

 2008年から白老ファームで繁殖牝馬となったショウナンパントルであるが、残念なことに初仔が亡くなり、昨年も受胎していた産駒を流産してしまった。「現在はショウナンカンプの産駒を受胎しています。これまでは不運もあって現在、受胎している産駒が初仔となるわけですし、なんとか無事に産ませたいと思っています」と白老ファーム・石垣節雄繁殖主任は表情を引き締める。

 気性の強いサンデーサイレンスを父に持つショウナンパントルだが、普段からおとなしく、馬や人に対してもおっとりした一面を見せている。「この性格は母のバブルウイングスと一緒ですね。バブルウイングスも繁殖牝馬となってからはいいお母さんぶりを発揮していましたし、それだけに余計に産駒の誕生が待ち遠しくなります」(石垣さん)

 実はショウナンパントルは幼少期に「すり込み」という馴致を行ってきている。これは生まれたばかりの馬に対して、人間がすぐに体の至る箇所を触ることで、この刷り込みを行った馬は、その後の育成などでも人の言うことを素直に聞くとされている。幼少期のショウナンパントルも、刷り込みの効果もあったのか非常に素直な性格をしていたとのことで、馴致、育成がうまくいったことが、2歳時からの活躍に繋がったとも言えるのではないだろうか。

 祖母バブルプロスペクターからは、菊花賞(G1)を勝利し、種牡馬となったザッツザプレンティ、またサンスポ4歳牝馬特別(G2)を勝ったマニックサンデーなど、重賞級の馬がいとまなく現れている。母バブルウイングスもショウナンパントルだけでなく、中央で3勝をあげているショウナンアクロス(牡6)など、産駒はコンスタントに勝ち鞍を上げている。それだけに早くショウナンパントル産駒の競馬が見たいところだが、それは石垣さんを初めとするスタッフも一緒の気持ちだという。

 「ぜひとも今年の春には産駒をとって、そして健康に育てて競馬場に送り出したいと思います」という石垣さんの言葉が現実となり、数年後には産駒初勝利のニュースも届けられることだろう。