馬産地コラム

マックスキャンドゥを訪ねて~白老ファーム

  • 2011年02月15日
  • マックスキャンドゥ~1
    マックスキャンドゥ~1
  • マックスキャンドゥ~2
    マックスキャンドゥ~2
  • マックスキャンドゥ~3
    マックスキャンドゥ~3

 日高から来た転校生、とでも言うのだろうか。マックスキャンドゥは日高生まれで、現役引退後は生まれ故郷の牧場で繁殖入りしたものの、その後、白老ファームへと繋養地を移動。今年で入厩してから4年目を迎える。

 「来た当時はどんな馬かなと思いながら接していましたが、思ったよりおとなしかったですね。ただ、子供が生まれたあとの変貌は凄かったですね」と白老ファームの繁殖主任を務める石垣節雄繁殖主任は、苦笑いを浮かべる。というのも、マックスキャンドゥは子供を生んだ瞬間から性格を変貌。突然に人を寄せ付けなくなった。

 「あとは削蹄も嫌いなようです(笑)。勘も鋭いのか、何かされると気づくと、脚が飛んできますね」(石垣さん)それでも最近では、自分に嫌なことをされないと理解してきたからか、かなり人との理解も深まってきているという。

 現役時はファレノプシス、エリモエクセルなどと牝馬クラシック戦線を沸かせたが、繁殖牝馬としてはライバルたちと比べると、決して目立った実績を残しているとは言えない。

 だが、それは不受胎が続いたことで、同時期に繁殖入りした繁殖牝馬と比べると産駒数が少ないことも関係している。だが、昨年の夏にデビューしたコルトバ(牝3)は、産駒として初めて中央の初勝利をあげており、ガルネリ(牝2)も8月に行われたメイクデビュー小倉で3着と、今後の大成が期待されている。「血統的にはサンデーサイレンス系種牡馬との配合に困らないので、繁殖牝馬としての可能性はこれからと言えるのではないのでしょうか」(石垣さん)

 ちなみにお腹の中にはゴールドアリュールの産駒を受胎。ちなみに母父のキンググローリアスとゴールドアリュールの父サンデーサイレンスは、同世代で共にアメリカ競馬を沸かせていた。直接対決こそならなかったが、共に日本に渡った2頭の血が、マックスキャンドゥを通して再び巡り会うのはロマンを感じずにはいられない。

 徐々に開花しつつある重賞ウイナーとなった母の血。それを一気に満開にするのはサンデーサイレンス系種牡馬の力となりそうだ。