馬産地コラム

ゴールドプルーフを訪ねて~徳重牧場

  • 2011年01月26日
  • ゴールドプルーフ~1
    ゴールドプルーフ~1
  • ゴールドプルーフ~2
    ゴールドプルーフ~2
  • ゴールドプルーフ~3
    ゴールドプルーフ~3
  • ゴールドプルーフ~4
    ゴールドプルーフ~4
  • 徳重牧場の看板
    徳重牧場の看板

 2003年の東海ステークス(G2)を勝ったゴールドプルーフ(牡16歳、父ゴールドレット 母サンウーマン)を鹿児島県姶良町の徳重牧場(ホースランドあいら)に訪ねた。

 本馬は名古屋競馬に所属し、東海ステークス(G2)、全日本サラブレッドカップ(G3)と2つのグレードレースを制した他、全国の交流重賞に果敢に挑戦し、川崎記念(G1)では2度の3着など長きに渡って活躍した。本馬の父のゴールドレットは東海公営で一時代を築いた名馬、地元出身の種牡馬が送り出した地元の活躍馬ということで、格別な思いでファンに愛される存在だった。

 2004年に競走生活を終えた本馬は鹿児島の徳重牧場で種牡馬入りとなったが、その後色々と紆余曲折があったという。

 「ゴールドプルーフの共有馬主だった丹羽オーナーは昔からの親友だったのですが、活躍を見届けないまま亡くなってしまいました。オーナーの夢を継いで1頭でも産駒を取ろうと、こちらで種牡馬入りさせたのですが大人しすぎて種付けが出来る状態ではありませんでした。2年間種牡馬登録を続けていましたが、牝馬を見て後ずさりしているようでは種牡馬にはなれません。3年目の2006年からはBTCの引退名馬を申請し、功労馬として暮らしていました」と語ってくれたのは徳重牧場の徳重推幸さん。

 功労馬として暮らしていた本馬に昨年、転機が訪れた。「うちで繋養しているマルカダイシスが種付けシーズンの途中で怪我をしてしまったんです。このままでは(牝馬の)腹が空いてしまうのでゴールドプルーフを試したところ、馬がその気になってくれたんです。急いで種牡馬登録をしてBTCの申請を取消しました」と徳重さん、無事に受胎した事を大変喜んでいる。お相手となった牝馬の名前はグラールスイート(12歳)、順調に行けば今年の4月末には待望の初産駒が生まれるという。

 「種付けを覚えても相変わらず淡白な感じで草食系、女好きで肉食系のマルカダイシスとは対照的ですね。ゴールドレットの血統には昔から注目していて、レッドアゲインという繁殖牝馬も所有していたくらいですから可能であれば今年も種付けしたいですね」

 先日、名古屋競馬で本馬を担当していた厩務員さんが牧場まで訪ねてきたそうだが、種牡馬復帰の吉報を聞き、大変喜んでいたという。徳重さんの7年越しの夢となる産駒誕生は名古屋競馬の関係者やファンにとっても楽しみな夢だろう。南国から吉報が届くのが待ち遠しい。