馬産地コラム

マーベラスサンデーを訪ねて~優駿スタリオンステーション

  • 2011年01月12日
  • マーベラスサンデー~1
    マーベラスサンデー~1
  • マーベラスサンデー~2
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  • マーベラスサンデー~3
    マーベラスサンデー~3

 「もう19歳になるんですね。同い年のマヤノトップガンとともにスタリオンを引っ張ってくれている功労馬です」と優駿スタリオンステーションの山崎努主任が同馬を労った。

 その言葉どおりにデビューを果たした10世代の産駒から400頭以上の勝馬を出し、その延べ勝鞍は1400になろうとしている。中央地方併せて14頭の重賞勝馬を送り出している。当のマーベラスサンデーは、厩舎から比較的近い放牧地でじっとたたずんでいる。「自分でセーブしているのか、若いうちのように一日中草を噛んでいるということはなくなりましたね。それに、結構、動き回るんですよ」と元気そうだ。

 隣の放牧地でカネヒキリがいなないても、その向こうでアドマイヤオーラが走り回っても知らん顔。栃栗毛の馬体は、威風堂々と存在感を示している。「派手さはないですが、産駒は中央、地方、芝ダートを問わずにコンスタントに走ってくれていますね。だから、生産者の方からも変わらぬ人気をいただいています」と満足そうに2010年シーズンをふり返った。

 2010年シーズンはネヴァブションがAJCC(G2)を制したほか、南関東所属のセレンが大井記念、東京記念に勝ち、岩手競馬所属のロックハンドスターが岩手競馬の三冠と復活なったダービーグランプリを圧勝して最強をアピールしている。「産駒の活躍はもちろんですが、後継種牡馬としてシルクフェイマスも帰ってきてくれました。それは種牡馬に携わるものとしては嬉しい限りですよ」と笑顔になった。

 マーベラスサンデーはサンデーサイレンスの初年度産駒。もう、すでに種牡馬としてはベテランの域。というよりも年長の種牡馬は指折り数えるほどになった。ここ優駿スタリオンステーションにも若いオンファイアやサムライハートがスタッドインを果たし、2011年シーズンからは同世代フジキセキ産駒のカネヒキリも仲間入りを果たすことになった。

 「まだまだ若い馬には負けられない気持ちでしょうし、そのためにはG1勝馬を出して欲しいですね。ただ、こればっかりは焦っても仕方のないことですし、スタリオンとしては万全の体調でシーズンを迎えることを目標にするだけです」ときっぱり。そこには、馬に対する厚い信頼がにじみ出ていた。

 「もう、大きく変わることはないと思います。あとは、体調と相談しながら1年々々を大切にしていきたいですね」というスタッフに囲まれて幸せそうだ。