ゴールドアリュールを訪ねて~社台スタリオンステーション
2010年シーズン、上半期はエスポワールシチーがフェブラリーS(G1)とかしわ記念(Jpn1)に勝ち、秋のマイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)はオーロマイスターとエスポワールシチーでワン・ツー・フィニッシュ。さらに秋シーズンはスマートファルコンがJBCクラシック(Jpn1)、浦和記念(Jpn2)、東京大賞典(Jpn1)と重賞3連勝。年間を通して重賞5勝の活躍で初のNAR総合チャンピオンサイアーに輝いた。
「一言で言えば運動能力に優れた馬ですね」とゴールドアリュールをけい養する社台スタリオンステーションではアピールする。とにかく、産駒の勝ち上がり率が凄い。地方競馬も含めた数字だが、初年度産駒は76頭中60頭が勝ち上がり、2年目産駒は110頭のうち89頭が勝ち上がり、3年目産駒も69頭中49頭が勝ち上がって、出走頭数に対する産駒の勝ち上がり率は8割に迫ろうとしている。「数字に強い馬なんですよ」と評価するのは、社台スタリオンステーションの徳武英介さんだ。
それができるのも「クラスの壁につまづかない」能力の裏付けがあってこそだ。前述の代表産駒たちもそうだが、2010年シーズンに4連勝を記録したシルクフォーチュンやシーダーラックなども含めて本格化以降は一気にクラスをあげる馬が多い。
その一方でタケミカヅチやトップカミングのように古馬の芝重賞戦線で活躍する馬もいるあたりが、ゴールドアリュール産駒の奥深いところかもしれない。「タニノギムレットやシンボリクリスエスらを相手にしたダービー(G1)で先行して5着に粘った馬ですからね。芝コースがダメとは思わないですけど、やっぱりダートの方が高い適性があるようですね」とぜいたくな悩みも。いずれにしても高いレベルで活躍する産駒が多い。
放牧地では、好奇心旺盛なところを見せて歩き回っている。見慣れぬ取材者の姿を見つけると、寄ってきてくれるのが嬉しい。種牡馬として8シーズン目を迎えようというところだが、体型には大きな変化はなく筋肉質の体をアピールしている。「サンデーサイレンス産駒ですからおとなしいということはないのですが、それでもテンションがあがりすぎるということもないですね。怪我に悩まされる産駒が少ないのもセールスポイントになるかもしれません」とさらなる飛躍を期待している。