メイショウドトウを訪ねて~イーストスタッド
明るい鹿毛に、額から鼻筋に伸びる大流星。そして14歳になった今も筋肉質の体に大きな崩れはない。外国産馬だったが、2000年から2001年にかけて、テイエムオペラオーとともに古馬の中~長距離シーンを盛りあげた。積み上げた賞金は9億円を超え、当時としては外国産競走馬の賞金王にもなった。
「同じ“メイショウ”でもずいぶん性格が違うんですよ」と青木大典場長が案内してくれた。いつもイラっとしている「オウドウ」に対して「ドトウ」の日常はのんびり、おっとりしているそうだ。この日も、放牧地の真ん中あたりでのんびりと時間を過ごしていた。
「現役時代の激しさは、今はほとんどみせないですよ。ただ、種付けのときだけは別の馬のような激しさを見せます。気持ちの切り替えが上手なんでしょうね。種付けも上手で、受胎率もよいと生産者の方からの評判も良いですよ」と馬を褒めている。
「長く活躍してくれたということもあるのでしょうが、ファンの多い馬ですね。毎年夏になると多くのファンが会いに来てくれますよ」と青木場長も嬉しそうだ。ただ、青木さんが嬉しそうなのは、もっと別の理由がある。5世代目産駒のシャインが2010年のシンザン記念(G3)で2着し、皐月賞(G1)、そして日本ダービー(G1)に出走した。「やっぱり産駒の活躍は嬉しいです。やや晩成型の傾向がありますので、厳しい状況ですが、これが来年の種付けにつながってくれることを期待します」という。
ほか初年度のライジングウェーブが南関東の重賞「大井記念」に優勝。報知オールスターCでも3着したほか交流重賞の浦和記念(Jpn2)でも4着と好走を続け、4世代目産駒のフーガが道営競馬のクラシックレース「王冠賞」に優勝、北海優駿で2着して父の名をあげた。また現2歳世代からも福山2歳優駿3着のビクトリーロマンが出て、産駒成績は生産頭数が減少傾向の中、右肩あがりの傾向を示している。
「メイショウドトウ自身の体調はとてもよいと聞いています。来年は15歳。この馬自身がそうだったように、種牡馬としても晩成かもしれません。まだ老け込む年齢ではないと思いますし、産駒成績も上向きなので、来年は1頭でも多くの繁殖牝馬を集めたいですね」と事務局も気合を入れ直している。