馬産地コラム

メイショウオウドウを訪ねて~イーストスタッド

  • 2010年12月14日
  • メイショウオウドウ~1
    メイショウオウドウ~1
  • メイショウオウドウ~2
    メイショウオウドウ~2

  • メイショウオウドウ~4
    メイショウオウドウ~4

 「キツイ馬」。言葉にすれば簡単だが、その実は十人十色。内容は1頭々々バラバラだ。

 いつもイライラしているような馬、攻撃的な馬、あるいは内弁慶的な馬。もちろん、本当の性格は実際の担当者でなければ知りえないことだが、取材者でも分かることがある。

 今回のお目当てはメイショウオウドウ。すっと伸びた鼻先が、どことなく父サンデーサイレンスを彷彿させるので、すぐに見つけることができる。というには嘘で、いつも放牧地の入口付近を歩き回っているので分かりやすい。与えられた放牧地は十分な広さを持つが、牧柵沿いのそれほど広くないエリアを行ったり来たり。それがどれほどかといえば、メイショウオウドウが通る場所は芝が完全にはげていて、獣道ができるほどだ。まさに“名将の王道”だ。

 それは、取材者を歓待しているようにも見える。時折頭をあげて、そして立ち上がるような素振りを見せる。

 「確かにうるさい馬で、馬同士ではやり合うこともありますが、人間に対してはうるさくないんですよ」とイーストスタッドの青木大典場長がかばう。いつも何かにイライラしているような仕草は父サンデーサイレンス譲り。薄い皮膚も父系独特のものだ。

 スタッドインは2002年。世界の賞金王テイエムオペラオー、僚馬メイショウドトウの影に隠れるような種牡馬入りだったが、いつの間にか存在感は上位になった。「公営競馬ではオペラウィンが重賞に勝っていますが、やっぱりJRAで勝ってほしいですね」という。2010年現在、JRAではメイショウシャフトがオープン特別に勝ち、ベイリングボーイ、スピードタッチなどがオープン馬となっているが、いまだ重賞勝馬は出ていない。

 「今年はやや寂しいシーズンになってしまいましたが、いまの3歳、2歳世代は産駒数に恵まれているので、チャンスがあると思っています。血統馬ですし、結果が出てくれば来シーズンにつながってくれることでしょう。来年のシーズンも無事にシーズンを迎えたいですね」と事務局では期待している。