馬産地コラム

ロイヤルタッチを訪ねて~アロースタッド

  • 2010年08月30日
  • ロイヤルタッチ
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    ロイヤルタッチ
  • 度胸のある馬だそうです
    度胸のある馬だそうです

 新ひだか町のアロースタッドで種牡馬生活を送っているロイヤルタッチ(藤原牧場生産)を訪ねた。

 同スタッドでロイヤルタッチの担当している志賀美信さんに近況を伺うと、「今年17歳になりますが、元気一杯で若々しい体をしています。今年はとりわけ体調が良いですね。年々見栄えのする良い体つきになってきました。」と、伝えてくれた。カイ喰いも良く、馬体重は520kg前後。種付けシーズンを終え、現在は朝5時から午後1時まで放牧しているという。1年で最も気温の上がる季節を迎え、暑さで体調を崩さないようにケアしている。

 4年間ロイヤルタッチの世話をしている志賀さん曰く、“度胸がある馬”というロイヤルタッチ。サンデーサイレンス産駒らしく気性の強いところはあるそうだが、歳を重ねて大人しくなってきたという。今はじっくりと体を休め、来年の種付けシーズンへ向けて英気を養う。

 ロイヤルタッチは現役時代、重賞2勝。クラシックにつながるラジオたんぱ杯3歳ステークス(G3)、きさらぎ賞(G3)で鮮やかな勝利を飾り、3歳春にはイシノサンデー、ダンスインザダーク、バブルガムフェローと共に、旋風を巻き起こすサンデーサイレンス産駒の逸材として注目を集めた。惜しくもG1ではあと一歩のところで勝利に届かなかったが、3歳牡馬三冠レースでは全て掲示版に載り、高い能力を十分に示した。

 ダービー馬を半兄に持ち、名牝スターロッチの流れをくむ母系に加え、大躍進中のスーパーサイアーの直仔ということも後押しし、種牡馬入り後は100頭前後の交配頭数をマークした。代表産駒は2007年のクイーンS(Jpn3)優勝馬アサヒライジング。3歳時にはアメリカンオークス(G1)にも挑戦して2着に好走し、父の名を世界にアピールした。アサヒライジングのような芝向きの馬もいれば、ワイティタッチやユウワンのように地方のダート重賞を制す馬もいる。先日、大井競馬場で行われたサンタアニタトロフィー(S3)では7世代目となる産駒カキツバタロイヤルが見事優勝。大井の雄ボンネビルレコードら強豪馬を負かし、通算12勝目のゴールが重賞制覇となった。小柄ながら勝負根性に長け、接戦の強さを武器に今後も更なる活躍が見込める1頭だ。

 「カキツバタロイヤルの快進撃がPRとなってくれると嬉しいですね。産駒は芝ダートで実績を残しています。馬のコンディションはすごく良いので、来季は少しでも多くの交配頭数を集めたいです。」と、志賀さんは期待を込めている。血統は折り紙つき。爆発力を秘めた種牡馬として、産駒には父の果たせなかったG1勝ちを託したい。