馬産地コラム

ローブデコルテを訪ねて~ノースヒルズマネジメント

  • 2010年06月02日
  • ローブデコルテ~1
    ローブデコルテ~1
  • ローブデコルテ~2
    ローブデコルテ~2
  • 今年産まれた当歳と共に
    今年産まれた当歳と共に
  • ローブデコルテ2010
    ローブデコルテ2010
  • ローブデコルテ~3
    ローブデコルテ~3

 2007年の優駿牝馬オークス(Jpn1)の勝ち馬、ローブデコルテ(USA)を訪ねた。現在は新冠町のノースヒルズマネジメントで繁殖生活を送っている。 

 新緑の季節を迎え、初仔となる当歳馬と青草の茂った放牧地でのびのびと過ごしていた。同牧場の福田洋志獣医師は、「健康状態は良好です。すっかりお母さんらしくなりました。初の出産もスムーズで、子育ても上手です。」と、近況を語る。昨年アグネスタキオンを交配し、今年2月に無事、芦毛の牝馬を産んだ。

 当歳については、「順調に過ごしています。筋肉質なあたりは父アグネスタキオン譲りだと思います。」と、特徴を伝えてくれた。現在のスケジュールは朝に朝飼いと馬体チェックの後、昼前から夜間にかけて昼夜放牧している。当歳は7月に離乳予定だ。 

 ローブデコルテはウオッカ、ダイワスカーレットと同世代。出走した阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)、桜花賞(Jpn1)では稀代の名牝の前に苦杯をなめたが、優駿牝馬オークス(Jpn1)では見事な決め脚を発揮し、栄冠をたぐり寄せた。3歳夏には渡米してアメリカンオークス(G1)にも挑戦し、5着に善戦した。その後は勝ち星に恵まれなかったが、古馬になってからは阪急杯(G3)3着など牡馬相手にも奮闘を続け、2008年の府中牝馬ステークス(G3)を最後に引退した。 

 ローブデコルテの父Cozzene は母の父としても秋華賞(G1)2着馬ブロードストリートや、小倉記念(G3)の勝ち馬サンレイジャスパーを輩出しており、日本の時計の速い競馬に合った産駒が十分期待できる。福田さんは、「配合しやすい血統ですし、繁殖牝馬として楽しみにしています。」と、2代にわたるG1馬誕生へ希望を膨らませている。今年は昨年のリーディングサイアー・マンハッタンカフェを交配し、無事受胎した。国内クラシックホースを父母に持つ組み合わせは魅力たっぷりだ。

  ローブデコルテは今年も7月末から秋にかけて見学公開を予定している。アスリートから新米ママに変貌し、訪れたファンに母性あふれた姿を映し出すことだろう。