馬産地コラム

タヤスアゲインを訪ねて~RECステーブル

  • 2010年06月03日
  • タヤスアゲイン~1
    タヤスアゲイン~1
  • タヤスアゲイン~2
    タヤスアゲイン~2
  • タヤスアゲイン~3
    タヤスアゲイン~3
  • タヤスレミグランと共に
    タヤスレミグランと共に

 1998年の青葉賞(G3)の勝ち馬タヤスアゲイン(法理牧場生産)を訪ねた。現在は新ひだか町静内のRolling Eggs Club ステーブルで余生を送っている。

 同牧場スタッフの宮本さんに近況を伺うと、「こちらに来て4年目になりますが、すっかり環境には慣れて、元気に過ごしていますよ。」と、笑顔で話す。今年15歳となるが、健康状態はすこぶる良好だ。

 現在は早朝5時前から夕方5時過ぎまで放牧している。気温の上がる7月から9月にかけては夜間放牧をしているという。牧場の方針は1頭あたり広い放牧地を確保し、外でたっぷり青草を食べさせてふんだんに運動させること。過保護にせず、自然を意識した健康管理に努めている。

 タヤスアゲインの馬主である横瀬寛一さんが所有馬タヤスツヨシで日本ダービー(G1)を制した1995年、タヤスアゲインは誕生した。“ダービー馬よ、再び”という思いを背に臨んだダービートライアル・青葉賞(G3)では、先行策からライバルをねじ伏せ、見事ダービーへの切符を手にした。横瀬オーナーは今も年に1、2回会いに来られるそうだ。

 サンデーサイレンス産駒といえば、激しい闘争心と気性の荒さを持った特徴が知られているが、同じ血を引くタヤスアゲインは、いたって穏やかな気性をしているという。「現役時代はどうだったかわかりませんが、この血統にしてはすごく大人しい馬で、びっくりします。注射も平気だし、利口で扱いやすいです。人間に対して従順な馬ですね。」と、宮本さん。

 放牧地ではパートナーのタヤスレミグランがずっと寄り添っている。タヤスアゲインが入厩してから、2頭はいつも一緒。タヤスアゲインの写真を撮ろうとすると、その様子が気になって仕方ないといった顔でタヤスレミグランが近寄ってくる。宮本さんは、「タヤスレミグランが良き父親であり、良き友達であり、タヤスアゲインにとってかけがえのない存在になっています。」と、話す。どうやら確固たる絆で結ばれているようだ。

 開業7年目となるRolling Eggs Club ステーブルでは他にもシンチェストやミスターシクレノンなど8頭が暮らしている。

 「馬との出会いをキッカケにして、日高の良さを伝えていきたい。」と、宮本さんは馬、そして馬産地日高のPRに意気込んでいる。牧場ホームページでは厩舎日誌や管理馬のプロフィールが詳しく紹介されているので、是非ご覧いただきたい。

 ⇒Rolling Eggs Club ステーブル ホームページ