馬産地コラム

マグナーテンを訪ねて~モモセライディングF

  • 2010年05月03日
  • マグナーテン
    マグナーテン
  • 同

  • 同

  • 素直で大人しい馬
    素直で大人しい馬
 世界的名種牡馬ダンジグを父に持ち、ヴェルメイユ賞(G1)を制した名牝マジックナイトを母に持つ良血馬マグナーテン(USA)を訪ねた。現在は札幌市清田区にあるモモセライディングファームで功労馬として暮らしている。

 モモセライディングファームの百瀬利宏さんは、「元気に過ごしています。素直で大人しい馬です。現在の馬体重は540㎏ぐらいですね。」と、近況を伝えてくれた。競走生活を引退して6年が経ち、厩舎では穏やかな顔つきを見せていた。現在は朝に放牧し、午後に乗り運動をしているという。

 マグナーテンは3歳夏のデビューから8歳まで国内外で走り、持ち前の先行力を武器に中央・地方を合わせての12の勝ち星を積み上げた。2002年の毎日王冠(G2)ではG1馬エイシンプレストン、ダンツフレームらを破り、鮮やかに逃げ切り勝ちを決めた。また、同年のジャパンカップ(G1)では果敢にレースを引っ張り、勝ったファルブラヴから僅か0.3差の4着に入り、国内外の一流馬が集う一戦で見せ場十分のパフォーマンスを示した。

 功労馬2頭を含む60頭の在厩馬がいるモモセライディングファームには、マグナーテンを筆頭に、競走馬として活躍した馬が多い。最近では2007年の北海道2歳優駿(Jpn3)を制したディラクエや2006年のエイプリルステークスの勝ち馬マチカネキララらが仲間入りした。重賞レースへの出走機会が多かったマグナーテンは、とりわけ見学のファンが多いそうだ。「マグナーテン目当ての見学の方は多いですね。特に、夏の札幌競馬のシーズンに立ち寄られる方が目立っています。」と、百瀬さんは話す。遠方からはるばる会いに来る方も少なくないそうだ。

 マグナーテンのように、モモセライディングファームのラインナップの中には元藤沢和雄厩舎の馬が多い。タイキマーシャルやボールドブライアン、レッドアリダー、サトノケンシロウ、フェラーリファイブがそうだ。藤沢和雄調教師は引退した馬たちへニンジンや飼料を牧場に贈ってくれるそうだ。「藤沢先生には本当に感謝しています。今も気にかけていただいている皆さんのためにも、これからも健康で長生きさせたいですね。」と、百瀬さんは話していた。温かい支援を受けながら、マグナーテンは余生を満喫している。
取材班

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