馬産地コラム

リンドシェーバーを訪ねて~十勝軽種馬農協種馬所

  • 2010年04月15日
  • リンドシェーバー
    リンドシェーバー
  • 同

  • 同

  • これから今季の種付けを開始していく予定
    これから今季の種付けを開始していく予定
 十勝で種牡馬生活を送っているリンドシェーバー(USA)を訪ねた。浦河町の日高スタリオンステーションから移動して3年目を迎え、すっかり新しい環境に溶け込んでいる。

 十勝軽種馬農協種馬所の中川郁夫さんに近況を伺うと、「今年で22歳となりますが、健康状態はすごく良いです。今年の1月はマイナス30度になる日もあって、例年以上に寒いシーズンでしたが、お湯を飲ませたり、飼い葉の量を少し多めに与えたりして、体調維持に努めました。病気もせず、脚元も全く問題ありません。」と、コンディションは良好だ。

 馬体重は480Kg台でキープしており、ムダ肉のないスマートな体つきをしている。冬は午前8時30分から12時30分まで放牧している。現役当時に馬券を当てたことを思い出に、今も遠方からファンがよく訪れるそうだ。

 昨シーズンは10頭と種付けを行い、9頭が無事受胎した。種付けは手のかからないタイプだそうで、「普段、人間に対してキツイところはありますが、種付けは上手で、受胎率も良いです。」と、中川さんはその仕事ぶりを褒めたたえた。

 1992年に種牡馬入り後、産駒はすでに16世代がデビューし、JRAでの勝ち馬は150頭に迫る。母の父としてもオースミハルカ、フィールドルージュなどの活躍馬を輩出し、最近では3月にマコトスパルビエロがマーチステークス(G3)を優勝。ダート路線でG1勝ちを狙える存在として注目を集めている。今後も父、母の父として更に実績を積み上げていくことだろう。

 中川さんは、「自身の持つアリダーの血統は今の人気種牡馬と合うと思うし、配合のしやすさという点で時代に合っている馬だと思います。産駒はスピードがあって、芝でもダートでも十分戦えますね。母の父としても結果を出していますし、今後も優れた産駒を送り出して欲しいです。」と、期待を込めていた。

 一時期に比べると種付け頭数は減ったが、子、孫世代のコンスタントな活躍を受け、末永く血統表にその名は残っていくだろう。
取材班