馬産地コラム

アドマイヤボサツを訪ねて~エクセルマネジメント

  • 2010年02月09日
  • エクセルマネジメントで余生を過ごしているアドマイヤボサツ
    エクセルマネジメントで余生を過ごしているアドマイヤボサツ
  • 同

  • 同

  • 雪に覆われた放牧地
    雪に覆われた放牧地
 えりも町のエクセルマネジメントへアドマイヤボサツを訪ねた。現役時代はダート中長距離路線で活躍し、1996年の平安ステークス(G3)を優勝した。

 同牧場のスタッフに近況を伺うと、「すこぶる健康です。体調は安定していますね。」と、明るい答えが返ってきた。パワーとスタミナを求められるダート重賞を制した馬だけあって、鍛え上げられた強靭な体は頑丈にできているようだ。

 性格については、「気性的には大人しい馬ですね。扱いで手を焼くことはないです。」と、スタッフ。馬房から出てくると、穏やかな表情をのぞかせた。今年20歳となったが、どっしりとした馬体で年齢的な衰えを感じさせない。

 現役時代を振り返ると、勝ち星の中には東京大賞典と佐賀の開設記念の地方競馬の交流競走も2つ含まれている。中でも、1995年の東京大賞典では各地のダート重賞で快進撃を続けていたライブリマウントや、同年の川崎記念などを制して南関東の雄として名を馳せたアマゾンオペラを下して栄冠をものにした。

 また、父リーチの産駒としては日本で最も賞金を稼いだ馬で、“アドマイヤ”の冠名で競馬ファンに知られる近藤利一オーナーに初めてJRA重賞勝ちをプレゼントした馬でもある。近藤オーナーにとっても思い入れ深い一頭であるだろう。

 同牧場ではアドマイヤボサツの他にエリモブライアン、タニノブーケが功労馬として余生を過ごしている。この3頭はBTC(財団法人 軽種馬育成調教センター)の引退名馬飼養環境整備事業・助成対象馬として助成金の交付を受けている。

 かつて競馬場を盛り上げた功労馬を展示し、余生を守っていくため、この助成金制度は功労馬を飼養する牧場にとって頼みの綱となっている。同牧場のスタッフは、「助成金については本当にありがたく思っています。今後もこの制度が続いて欲しいです。」と、感謝と共に継続を望んでいた。今後も功労馬を取り巻く環境がより整備されていくことを願いたい。
取材班