馬産地コラム

タガノゲルニカを訪ねて~新冠タガノファーム

  • 2010年01月29日
  • 新冠タガノファームにて種牡馬生活を送っているタガノゲルニカ
    新冠タガノファームにて種牡馬生活を送っているタガノゲルニカ
  • 同

  • 同

  • 性格は大人しいです
    性格は大人しいです
 2006年の平安ステークス(G3)では、近年ダートで一時代を築いているヴァーミリアンを破って優勝し、一躍ダート界の新星として注目を浴びた。昨年から種牡馬として再スタートを切っている。

 まだ8歳とあって、牧場では若々しい姿を見せていた。スタッフの方に近況を伺うと、「いたって健康です。性格は素直ですよ。脚元も問題ないですし、カイ食いも良く、扱いやすい馬です。」とのこと。現在は早朝から午後3時頃まで放牧しているという。放牧地へ会いに行くと、元気に走り回る1歳馬を見ながら、その向かいの放牧地で悠々と雪上を歩いていた。

 現役時代は3歳春の遅いデビューから数戦勝ちあぐねていたが、ダートに矛先を変えて初勝利を挙げてからはトントン拍子で勝ち星を重ね、半年足らずでオープンまで上り詰めた。5連勝目となった平安ステークス(G3)では、得意の先行策でレースを進め、持ち前の勝負根性で強豪馬の追撃を振り切った。続くフェブラリーステークス(G1)では穴人気を集めたがカネヒキリの8着に敗れ、その後は2、3着には入るものの勝ち星に恵まれず、2008年に引退となった。

 昨年は3頭と種付けをし、今年も種付けを予定しているという。冬の北海道ならではのしんとした空気の中、放牧地ではリラックスした様子で過ごしていた。「種牡馬としては本当に大人しいタイプですね。」と、スタッフの方が管理に手を焼くことは少ないようだ。

 タガノゲルニカの母ブロードマラは谷川牧場が牧場の将来を見据えてイギリスの市場で導入した期待の繁殖牝馬で、アイルランドの重賞キラヴランステークス(G3)を優勝した実績を持つ。タガノゲルニカ自身も3歳未勝利戦を走っていた頃は芝でも連対経験があり、産駒は芝でもダートでも対応できそうだ。今年、どんな産駒が誕生してくるか楽しみは広がる。
取材班