馬産地コラム

スターキングマンを訪ねて~ブリーダーズSS

  • 2009年12月28日
  • ブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬生活を送っているスターキングマン
    ブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬生活を送っているスターキングマン
  • 同

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 2003年の東京大賞典(G1)、日本テレビ盃(G2)を優勝したスターキングマン(父Kingmambo、母Princesse Timide)を繋養先の日高町・ブリーダーズスタリオンステーションに訪ねた。

 本馬は通算成績42戦7勝、3歳から7歳まで活躍し、7歳時にはドバイワールドカップ(G1)にも参戦した(結果は繰り上がりの6着)。本馬が獲得した重賞タイトルがわずか2つというのは意外にも思えるが、改めて戦績を見直すと重賞2着7回、3着4回と惜しいレースが多かったようだ。

 キングマンボの後継種牡馬として期待され、2008年より種牡馬入り。昨年は17頭、今年は15頭に種付けを行った。「種付頭数は数が多いとは言えませんが、リピーターの生産者も多いですよ。」と語ってくれたのはスタリオンスタッフの貞森渉さん。産駒の特徴については「私が見た当歳は、父に似た栗毛の、骨太でいかにもダートに適正がありそうな感じでしたね。」と語ってくれた。

 日常の手入れでも手の掛からない利口な馬ということだが、放牧地ではちょっと変わったところがあるようだ。種牡馬というのは、「競馬」という競争(競走)社会を勝ち残ったエリート達の集まりで、我が強くプライドの高い馬が多い。「集まった繁殖牝馬は全て俺のもの」というのが種牡馬の世界、隣の放牧地の種牡馬を敵対視したり、無視したりする事も多いのだが、本馬の場合は、お隣のイーベルツェーンが大のお気に入りらしい。

 「いつも放牧地を挟んで仲良くしていますね。それも年上のイーベルツェーン(26歳)に敬意を表している感じなんですよ。2頭の立場を考えると力関係が逆でもおかしくないんですが…。他の牧場スタッフも、2頭の放牧地でのやりとりを微笑ましく眺めていますよ。」と楽しげに語る貞森さんだ。

 産駒は2011年にデビューを迎える。世界的良血キングマンボの後継種牡馬として、どのようなレースを見せてくれるか今から楽しみだ。
取材班