馬産地コラム

フジノマッケンオーを訪ねて~本桐牧場

  • 2009年11月26日
  • フジノマッケンオー
    フジノマッケンオー
  • 同

  • 食欲旺盛
    食欲旺盛
  • 若々しい顔をしている
    若々しい顔をしている
 新ひだか町三石にある本桐牧場へフジノマッケンオーを訪ねた。

 現役時代は芝ダート問わず活躍し、重賞を4勝。3歳時には皐月賞(G1)でナリタブライアンの3着、マイルチャンピオンシップ(G1)でノースフライトの3着に詰め寄った。古馬になってからは芝のマイル路線で活躍した後ダート路線に矛先を変え、交流重賞・さきたま杯(G3)を制した。現在は生まれ故郷で静かに余生を送っている。

 同牧場スタッフの小林さんに近況を伺うと、「すこぶる健康ですね。脚元も何ともないですし、体調は安定しています。食欲旺盛な馬で、今も大きな体をしていますよ。」と、明るい答えが返ってきた。通算成績61戦8勝、合計17の競馬場をタフに駆けただけあって、恵まれた体をしている。現在の馬体重は600kg以上あるそうだ。

 秋のこの時期は朝5時から夕方の4時まで放牧している。性格的な特徴を伺うと、「蹴ったり、かじったりすることなく、大人しくて扱いやすい馬です。たまに何かにびっくりして、気の小さいところもあります。」と、小林さん。北海道外の方を中心にファンの方もよく見学に来られるそうだ。

 いかにも強そうで、男らしい名前の持ち主だが、牝馬には無関心なタイプと聞く。小林さんは、「近くの放牧地に牝馬がいても全く興味を示さない感じで、大人しく過ごしています。」と、珍しい一面を語る。

 今年で18歳となるが、隣りの放牧地には長寿ハギノカムイオーがいて、牧場ではまだまだ“若手”と感じる存在。実際に会ってみると顔つきはキリっとしていて、雄大な馬体が目を引く。年齢以上に若さを保っていると言えそうだ。「長生きしてくれると良いですね。」と、小林さんは優しく声をかけた。ふるさとで悠々自適な日々を満喫してもらいたい。
取材班