ゴッドオブチャンスを訪ねて~福島県・松浦RC
2002年の京王杯スプリングカップ(G2)を制したゴッドオブチャンス(牡12歳、父Cozzene 母チームカラーズ)を福島県南相馬市の松浦ライディングセンターに訪ねた。
本馬は2000年9月、美浦の和田正道厩舎からデビューし、見事新馬勝ち。5戦目の黄梅賞で2勝目を挙げると、秋には飯豊特別(1000万)、アイルランドトロフィー(1600万)を連勝しオープン入りし、初重賞挑戦となったスワンステークス(G2)ではビハインドザマスクの0.1秒差の3着と健闘した。明け4歳となる2002年のスポニチ賞京都金杯(G3)で2着に入ると、春の京王杯スプリングカップ(G2)で念願の重賞制覇を果たした。その後、勝ち星を挙げることは出来なかったが、通算成績34戦5勝の成績で引退した。
2006年、2007年は同じ相馬地区の他の牧場から『相馬野馬追』に参加していたという本馬だが、2007年の12月に松浦ライディングセンターに移動して来た。近況に関して、松浦ライディングセンターの松浦秀昭さんに伺うと「この馬は優等生ですよ。普段の乗馬でも大人しいですが、祭りの時でもどっしりと構えています。物見もしない堂々とした姿で騎馬を務めています。」との事だ。
『相馬野馬追』の騎馬は、30kg近い重さのある甲冑姿の武者を背にしているが、その重量以上に、「旗」に慣れるかどうかが問題だという。甲冑武者が背負う「旗」は1m近い長さがあり、騎乗時には風に大きく揺れる。サラブレッドは競走馬時代には、騎手の勝負服の擦れ合う音にも驚くというから、「旗」の揺らめきや、甲冑の打ち合う音に慣れるまでには相当の馴致が必要らしい。「競走馬の調教」とは違った「野馬追の調教」に携わる関係者の熱意にも驚かされる。そんな中で、堂々とした振る舞いを見せるという本馬はまさに「騎馬の鑑」と言えるだろう。
ちなみに、騎馬武者の甲冑や、馬の装備は全て参加者の自前だという。引退した騎乗者から安く譲って貰う方もいるそうだが、新たに製作しようとすると10万~30万はするものらしい。「祭り好きな連中ばかりですからね。参加者にとって、馬と甲冑は宝物みたいなもんですよ。」と笑いながら語る松浦さんの言葉から、引退した競走馬たちが、新たな舞台で活躍するために日々大切にされている事を感じる事が出来た。
取材班
本馬は2000年9月、美浦の和田正道厩舎からデビューし、見事新馬勝ち。5戦目の黄梅賞で2勝目を挙げると、秋には飯豊特別(1000万)、アイルランドトロフィー(1600万)を連勝しオープン入りし、初重賞挑戦となったスワンステークス(G2)ではビハインドザマスクの0.1秒差の3着と健闘した。明け4歳となる2002年のスポニチ賞京都金杯(G3)で2着に入ると、春の京王杯スプリングカップ(G2)で念願の重賞制覇を果たした。その後、勝ち星を挙げることは出来なかったが、通算成績34戦5勝の成績で引退した。
2006年、2007年は同じ相馬地区の他の牧場から『相馬野馬追』に参加していたという本馬だが、2007年の12月に松浦ライディングセンターに移動して来た。近況に関して、松浦ライディングセンターの松浦秀昭さんに伺うと「この馬は優等生ですよ。普段の乗馬でも大人しいですが、祭りの時でもどっしりと構えています。物見もしない堂々とした姿で騎馬を務めています。」との事だ。
『相馬野馬追』の騎馬は、30kg近い重さのある甲冑姿の武者を背にしているが、その重量以上に、「旗」に慣れるかどうかが問題だという。甲冑武者が背負う「旗」は1m近い長さがあり、騎乗時には風に大きく揺れる。サラブレッドは競走馬時代には、騎手の勝負服の擦れ合う音にも驚くというから、「旗」の揺らめきや、甲冑の打ち合う音に慣れるまでには相当の馴致が必要らしい。「競走馬の調教」とは違った「野馬追の調教」に携わる関係者の熱意にも驚かされる。そんな中で、堂々とした振る舞いを見せるという本馬はまさに「騎馬の鑑」と言えるだろう。
ちなみに、騎馬武者の甲冑や、馬の装備は全て参加者の自前だという。引退した騎乗者から安く譲って貰う方もいるそうだが、新たに製作しようとすると10万~30万はするものらしい。「祭り好きな連中ばかりですからね。参加者にとって、馬と甲冑は宝物みたいなもんですよ。」と笑いながら語る松浦さんの言葉から、引退した競走馬たちが、新たな舞台で活躍するために日々大切にされている事を感じる事が出来た。
取材班