馬産地コラム

サンライズペガサスを訪ねて~アロースタッド

  • 2009年10月15日
  • サンライズペガサス
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 通算成績24戦6勝、G1制覇は果たせなかったものの、芝2000mを中心とした距離で優れた瞬発力を見せたサンライズペガサスを新ひだか町・アロースタッドに訪ねた。

 本馬は2001年2月、3歳でデビュー。2戦目で初勝利を挙げると、6月の野苺賞で2勝目、神戸新聞杯(G2)で2着に入り菊花賞(G1)に参戦するも12着と敗れる。明け4歳で本格化を迎えると、大阪城ステークス、産経大阪杯(G2)を連勝し初重賞制覇を果たす。秋の天皇賞(G1)では勝ち馬シンボリクリスエスに0.1秒差の3着と惜敗する。

 屈腱炎による2度の長期休養をは挟みながらも、2005年の7歳時には、産経大阪杯(G2)、毎日王冠(G2)と2つのタイトルを重ねたが、この2戦で負かした相手はハーツクライ、アドマイヤグルーヴ、テレグノシス、ダイワメジャー、スイープトウショウとそうそうたる面々だった。この年の有馬記念(G1)7着を最後に引退、アロースタッドで種牡馬入りした。

 アロースタッドでは初年度24頭→22頭→19頭の繁殖牝馬を集め、今年は16頭を集めた。決して数は多くないが、松岡隆雄オーナーに縁のある牧場を中心に一定数の繁殖を集めている。

 新種牡馬デビューとなる初年度産駒からは、9月27日の新潟競馬場でペガサスキングビー(2歳牡、母スティンギングビー、その父Glitterman)が2歳未勝利戦を勝ち、中央初勝利を挙げ、地方競馬ではホッカイドウ競馬のコロニアルペガサス(2歳牝、母カネショウフェアー、その父コロニアルアッフェアー)が3勝を挙げ、オープンで活躍中だ。

 「この馬の体型は(母の父)ブライアンズタイムというより、サンデーサイレンスですね。でも気性は、大人しく扱いやすいですよ。産駒中央初勝利の時には、生産者のヤナガワ牧場さんも大変喜んでいました。少数精鋭ですが、毎年20頭弱の繁殖を集めています。父サンデーサイレンス×母父ブライアンズタイムの血統は、毎年50頭位集まってもおかしくない、素晴らしい血統だと思っていますので、産駒が更に活躍してくれることを願っています。」と、アロースタッド主任の今野進二さんは語る。

 放牧地のサンライズペガサスは、サンデー系種牡馬に見られるピリピリした感じも無く、穏やかな感じがした。陽を受けて輝く栗毛は、まさにグッドルッキングホース。父の鮮やかな末脚を受け継いだ産駒が、父の果たせなかったG1制覇を果たすことを期待したい。
取材班