トーホウエンペラーを訪ねて~アロースタッド
通算成績33戦20勝、東京大賞典(G1)、マイルチャンピオンシップ南部杯(G1)と2つのダートG1を制したトーホウエンペラーを、新ひだか町のアロースタッドに訪ねた。
本馬は中央未出走のまま岩手に移籍、デビューは3歳の12月31日という遅いデビューだった。下級条件からコツコツと勝利を積み重ね、デビューから1年後の12月31日、“岩手版有馬記念”とも言える年末の大一番・桐花賞を勝利して地方重賞初制覇を果たした。
本格化となった5歳シーズンは積極的に交流重賞にも挑戦、地元のマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)でアグネスデジタルの3/4馬身差という惜しい2着の後、新潟県競馬の朱鷺大賞典(G3)で交流重賞初制覇、年末の東京大賞典(G1)でついにG1制覇を果たした。
6歳シーズンも各地に遠征し、名古屋大賞典(G3)を制し、G1レース2勝目となるマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)では、2着バンケーティングとの岩手勢ワンツーという結果になり、岩手競馬ファンから拍手喝采を浴びた。その年の東京大賞典(G1)8着を最後に引退、アロースタッドで種牡馬入りした。
今年で種牡馬7シーズン目となる本馬だが、初年度はオーナーの意向で「種付料無料」に設定され、89頭の繁殖牝馬を集めたが、以後は19頭→11頭→10頭→13頭→7頭と種付頭数は減少していたが、今シーズンは16頭と微増した。代表産駒には、埼玉・栄冠賞優勝、浦和記念(Jpn2)3着のクレイアートビュン、水沢・南部駒賞を勝ったトーホウノゾミ、金沢・MRO金賞を勝ったスギノブライアンなどがいる。中央ではトーホウアタック、トーホウオルビスの2頭がそれぞれ4勝を挙げている。
本馬の近況に関して、アロースタッドの今野進二主任にお話を伺うと「体調は良好で、元気にしています。初年度はオーナーの厚意で、種付料無料で多くの繁殖牝馬を集めましたが、頭数が少なくなった現在でもオーナー所有の繁殖牝馬を中心に配合されて頑張っています。もっと繁殖が集まるといいんですけどね。」との事。
スタリオンを訪れたこの日は、台風一過の撮影日和。青毛で黒光りする馬体を楽しみにしていたが、朝から砂浴びで泥だらけになっていた。雨上がりの水溜りは馬にとって最高の遊び場所なのだろう。泥だらけの中でも、馬体の色艶は素晴らしく体調良好を感じさせる。放牧地の配置は、アジュディケーティングを間に挟んで、父ブライアンズタイムという配置だ。見比べてみると、やはり父に似ている。
地方競馬の苦戦が続き、本馬の故郷・岩手競馬も存廃に揺れているが、「中央のエリートを負かす!」というドラマは、ハイセイコーの時代から続く競馬の醍醐味の一つ。トーホウエンペラーに続く馬が登場することを期待したい。
取材班
本馬は中央未出走のまま岩手に移籍、デビューは3歳の12月31日という遅いデビューだった。下級条件からコツコツと勝利を積み重ね、デビューから1年後の12月31日、“岩手版有馬記念”とも言える年末の大一番・桐花賞を勝利して地方重賞初制覇を果たした。
本格化となった5歳シーズンは積極的に交流重賞にも挑戦、地元のマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)でアグネスデジタルの3/4馬身差という惜しい2着の後、新潟県競馬の朱鷺大賞典(G3)で交流重賞初制覇、年末の東京大賞典(G1)でついにG1制覇を果たした。
6歳シーズンも各地に遠征し、名古屋大賞典(G3)を制し、G1レース2勝目となるマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)では、2着バンケーティングとの岩手勢ワンツーという結果になり、岩手競馬ファンから拍手喝采を浴びた。その年の東京大賞典(G1)8着を最後に引退、アロースタッドで種牡馬入りした。
今年で種牡馬7シーズン目となる本馬だが、初年度はオーナーの意向で「種付料無料」に設定され、89頭の繁殖牝馬を集めたが、以後は19頭→11頭→10頭→13頭→7頭と種付頭数は減少していたが、今シーズンは16頭と微増した。代表産駒には、埼玉・栄冠賞優勝、浦和記念(Jpn2)3着のクレイアートビュン、水沢・南部駒賞を勝ったトーホウノゾミ、金沢・MRO金賞を勝ったスギノブライアンなどがいる。中央ではトーホウアタック、トーホウオルビスの2頭がそれぞれ4勝を挙げている。
本馬の近況に関して、アロースタッドの今野進二主任にお話を伺うと「体調は良好で、元気にしています。初年度はオーナーの厚意で、種付料無料で多くの繁殖牝馬を集めましたが、頭数が少なくなった現在でもオーナー所有の繁殖牝馬を中心に配合されて頑張っています。もっと繁殖が集まるといいんですけどね。」との事。
スタリオンを訪れたこの日は、台風一過の撮影日和。青毛で黒光りする馬体を楽しみにしていたが、朝から砂浴びで泥だらけになっていた。雨上がりの水溜りは馬にとって最高の遊び場所なのだろう。泥だらけの中でも、馬体の色艶は素晴らしく体調良好を感じさせる。放牧地の配置は、アジュディケーティングを間に挟んで、父ブライアンズタイムという配置だ。見比べてみると、やはり父に似ている。
地方競馬の苦戦が続き、本馬の故郷・岩手競馬も存廃に揺れているが、「中央のエリートを負かす!」というドラマは、ハイセイコーの時代から続く競馬の醍醐味の一つ。トーホウエンペラーに続く馬が登場することを期待したい。
取材班