馬産地コラム

ブラックホークを訪ねて~ブリーダースSS

  • 2009年09月01日
  • ブラックホーク
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  • 同

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 日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションへブラックホークを訪ねた。現役時代は短距離~マイル路線で活躍し、G1を2勝。今も種牡馬としてその名を輝かせているアグネスデジタル、キングヘイロー、タイキシャトルらと渡り合った。ブラックホークも産駒からは重賞勝ち馬クーヴェルチュール、チェレブリタを輩出し、昨年は南関東でブルーホークが連勝街道を歩み、東京大賞典(Jpn1)に挑む活躍を見せた。

 同スタリオンの坂本教文場長に近況を伺うと、「今年は58頭に種付けをしました。シーズンに入る前にちょうどチェレブリタが重賞を勝ってくれて良かったです。昨年より種付け頭数は少ないですが、厳しい時代の中で健闘していると思います。」とのこと。

 種付けは上手な馬だそうで、種牡馬としても立派に仕事をこなしている。特徴については、「うちのスタリオンでも1、2を争う大型馬で、太りすぎないように気を付けています。」と、語る。現役時代は長く堅実に活躍した馬で、見学シーズンになると、ブラックホークのレースを実際に見たファンの方が、今も熱心に足を運ばれるそうだ。現在も大柄で力強い馬体は放牧地でも目立っている。

 産駒の特徴について伺うと、「芝もダートもこなせるのが長所だと思います。現役時代、1200mと1600mのG1を勝っているだけあり、産駒も短い距離で実績がありますが、ダートではブルーホークのように長い距離でも大丈夫そうな印象です。パワーがある馬なので、以前シャトル・スタリオンで行ったオーストラリアでも注目を集めたようです。」と、紹介。オーストラリアでは名種牡馬ヌレイエフの血を引く良血馬ということでも、高い評価を得ていたそうだ。

 ブラックホーク自身、筋骨隆々のガッチリとしたタイプでありながら、産駒に目を向けると意外にも500kgを超す大型馬は少ない。坂本さん曰く、「骨量が豊富で大きな馬なので、体型のバランスを考えて割と小柄な繁殖牝馬がよく集まっています。」と、なるほど均整のとれた馬が多いわけだ。

 産駒の重賞戦線での活躍馬も増え、今度はG1ウイナーの登場に期待は膨らむ。「まだまだ若い馬ですし、今後も頑張って欲しいです。血統は良いので、母の父としても活躍馬を出して欲しいですね。今度のサマーセールでも産駒が上場されていますので、良い値段で落札されると良いですね。」と、坂本さんは望みを託している。

 2007年には100頭以上の種付けをこなしており、これからデビューする世代からも大物出現の可能性は十分秘めている。父の豊かなスピードを受けて、大舞台ではばたく2世の登場を今後も楽しみにしたい。

取材班