馬産地コラム

ゴーイングスズカを訪ねて~新井牧場

  • 2009年09月29日
  • ゴーイングスズカ
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 むかわ町の新井牧場へゴーイングスズカを訪ねた。

 現役時代は46戦8勝。1998年の目黒記念(G2)と2000年の福島記念(G3)を制した。1998年の宝塚記念(G1)では優勝馬サイレンススズカから0.5秒差の4着。1999年の有馬記念(G1)では果敢に逃げて優勝馬グラスワンダーから0.3秒差の6着に善戦。重賞レースはUAEのドバイシーマクラシック(G3)を含め21戦を走り、数々の舞台で歴戦の名馬たちとしのぎを削った。

 同牧場の新井誠さんに近況を伺うと、「引退してこちらに帰ってきた当初は、噛みついたり気ままなところがあったりしましたが、最近では大人しくなりましたね。健康面は特に問題なく、今年で16歳になりますが衰えを感じさせませんね。とても元気です。」と、健やかな様子だ。

 現在は朝から夕方5時まで放牧するという毎日だそうで、冬場は馬服を着せて放牧しているという。新井さんは、「青草をよく食べますし、食欲は良いです。今は500キロを切るぐらいの馬体重ですね。」と、紹介。毛ヅヤも良く、力強い馬体は現役競走馬を彷彿とさせるほどだ。

 戦歴をひも解くと、3歳のデビューから10歳まで長きにわたってタフに駆け抜けた。中央10場のうち函館競馬場以外の9場すべてに出走している。G1勝ちこそならなかったが、各地の競馬場でレースを盛り上げたがんばり屋のランナーだ。強豪馬相手にひたむきに走るその姿を記憶にとどめているファンも少なくないだろう。

 「北海道外から見学にいらっしゃる方が多いです。特に、20代~30代の方が目立ちますね。毎年会いにいらっしゃる熱心なファンの方もいます。この馬の勝ったレースがキッカケで、競馬の世界に興味を持った方もいたようで、そのようなお話を聞くと感慨深い気持ちになりますね。」と、新井さんは嬉しそう。

 今後については、「とにかく健康で長生きして欲しいです。」と、目を細めていた。永井啓弐オーナーも新井牧場を訪れた際には懐かしげに同馬の様子を見つめていくそうだ。ゴーイングスズカの近況については新井牧場ホームページにも写真入りで詳しく掲載されている。ファンの方は是非ご覧いただきたい。


->新井牧場ホームページ
取材班