十勝軽種馬農協種馬所へフサイチソニックを訪ねた。現役時代は神戸新聞杯(G2)勝ちを含む6戦4勝(2着1回、3着1回)、着外なしの成績で引退し、最近では産駒ドリームフライトがJRAで5勝をあげ、古馬重賞戦線で奮闘している。

　幕別町にある十勝軽種馬農協種馬所は広々とした畑作地帯に隣接し、山川も近く、自然あふれる場所にある。フサイチソニックの他にもダイナマイトダディ、ハクタイセイ、リンドシェーバーが繋養されており、それぞれ元気に余生を過ごしている。

　管理する中川郁夫さんはフサイチソニックについて、「こちらに移動してからは気性的に落ち着いてきましたね。夏場は朝8時から11時まで放牧しています。ソニックはとにかくアブが苦手な馬で、放牧地で飛び跳ねるので、虫が多い時は厩舎に入れるようにしています」と、近況を伝えてくれた。

　北海道の中でも十勝の夏はかなり気温が上がり、日高地方と比べて寒暖の差が激しい地域。中川さんは季節に応じて馬の体調管理に気を配っているという。

　「夏場でも食欲が落ちないように、水でうるかして(柔らかくして)エサを与えています。健康状態はとても良いですよ」と、中川さん。取材に訪れた日も馬体の張りは良く、堂々としていた。

　産駒の成績をひも解いてみると、芝・ダート問わずレースで好走している。
　中川さんは、「産駒を見ていますと、割と胴が詰まった体型の馬が多いですね。母系が優秀だし、現役時代はアグネスフライト、エアシャカール、アドマイヤボスを負かしていますからね。こちらに来てからも良質な繁殖牝馬と種付けしていますし、今度は十勝産のフサイチソニック産駒からも活躍馬が出て欲しいです」と、望みを語った。

　雄大な大地に身を寄せ、十勝の馬産を盛り上げる一頭として存在をアピールしていきたいところだ。
取材班