馬産地コラム

カネツフルーヴを訪ねて~優駿スタリオンステーション

  • 2009年07月03日
  • カネツフルーヴ
    カネツフルーヴ
  • 同

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 ダートの長距離を中心に活躍、帝王賞(G1)・川崎記念(G1)とG12勝を含む重賞4勝をあげたカネツフルーヴを優駿スタリオンステーションに訪ねた。

 カネツフルーヴといえば、自分の形“逃げ”がハマった時の鮮やかさは特筆できるもので、2003年のオグリキャップ記念(G2)では後続を1.8秒も離す大楽勝を見せてくれた。母ロジータ、おいレギュラーメンバーとバリバリのダート巧者の一族だ。


 2005年より種牡馬入りしたが、その種牡馬生活は非常に厳しいものとなっている。同時期に活躍したおいのレギュラーメンバーが、先に行われた地方競馬の“ダービーウィーク”で2頭の勝ち馬(東京ダービー:サイレントスタメン、東海ダービー:ダイナマイトボディ)を送り出した事を考えると、この血統はもっと注目を集めてもおかしくない存在である。

 
 昨年が産駒デビューの年なのだが、残念ながら初年度は産駒が1頭しかおらず、現時点では未出走。一足先に2年目の産駒クラカンパネラがホッカイドウ競馬からデビューし、5月27日のレースでは3着と健闘、7月1日に行われたレースで1着になり、産駒が待望の初勝利をあげた。

 
 優駿スタリオンステーションの山崎努さんは「雄大な馬格とスピードを産駒が受け継いでくれたら、ダートでは面白い存在になると思うんですが…。」とカネツフルーヴにエールを送るが現状はなかなか厳しいようだ。8頭が血統登録されている2世代目の活躍に期待したい。


 カネツフルーヴの放牧地の隣には、クーリンガー、ハギノハイグレイド、ナイキアディライトが放牧されている。この4頭は、ほぼ同じ時代に競走生活を送り、交流重賞で全国各地を賑わせた砂上のライバル達。ダート競馬のファンには堪らない光景である。個性派達の第二の人生(種牡馬生活)が充実したものとなることを願いたい。


                    取材班