浦河町にある観光名所「うらかわ優駿ビレッジ・アエル」へダービー馬ウイニングチケットを訪ねた。本馬が繋養されているアエルには乗馬施設やパークゴルフ場があり、幅広い年齢層の方々が休暇を楽しみに足を運んでいる。近隣ではまもなく「桜まつり」が行われるそうで、桜の見ごろが近づくにつれ、賑やかさを増しているようだ。

　さて、乗馬課マネージャーの島村博さんにウイニングチケットの近況を伺う。
　「健康そのもので、最近は暖かくなって毛ヅヤの良さが目立ってきています。年齢以上に若々しいですね。」
　と、１９歳になった現在もすこぶる体調は良いようだ。本馬の特徴について伺うと、
　「素直で手のかからない馬です。こちらに来てから一度も獣医にかかったことはなく、たいへん丈夫な馬です。」
　と、本馬の頑丈さに太鼓判を押している。

　アエルには他にサニーブライアン、ダイユウサク、ニッポーテイオー、ヒシマサルが余生を過ごしている。幾多の大レースで激闘を繰り広げた馬たちと共に、ゆったりとした時間を過ごす日々だ。
　「チケットはこちらにいる４頭の中ではメジャーな馬かもしれませんね。乗馬のトレッキングに来る方で、あまり競馬をご存じないお客様でも、“ウイニングチケットは知っています”と言われることがよくあります。」
と、島村さん。ダービー優勝の栄光は今も多くの人の胸に刻み込まれているようだ。奇遇にも、取材に訪れた日、横浜市から来たという観光客の方から放牧地のそばで、
　「ウイニングチケットはどの馬ですか？」
　と、尋ねられた一幕もあった。本馬の人気ぶりは相変わらずのようだ。
　１９９３年、サラブレッドの頂点を極めたウイニングチケット。高齢になった今もダービー馬の雄姿からは静かなオーラを感じた。

　　　　　　　　　　　　　　日高案内所取材班